【ペアレントトレーニングとは】概要や種類~具体的なやり方・効果を徹底解説
発達障がいがある子どもを育てる際には、どう接すれば良いのか迷う場面が多いかと思います。正解はありませんが、行動の理由を理解したり、接し方を工夫したりするだけで、今までより明るい気持ちで子育てができるかもしれません。
本記事では、親が受講できるトレーニングについて、概要や種類などを詳しく解説します。子育てトレーニングに興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
監修:道地真喜
(株)すららネット 子どもの発達支援室 臨床心理士
カリフォルニア州立大学院(修士)教育学 他
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もくじ
ペアレントトレーニングとは
ペアレントトレーニングとは、障がいの子どもをもつ親を対象として行われるトレーニングです。主に、障がいに対する理解を深めたり、子どもとどのように接すべきかを学んだりします。
もともとは、子どもが自閉症や知的障がいである親に向けて、1960年代にアメリカで開発されました。現在では、さまざまな障がいに対応した講義が開発され、国内でも実施されています。
ペアレントトレーニングを受けると、親はより適切に子どもをサポートできるようになります。療育に行かない時間でも同様のトレーニングができるようになり、特性による困難を減らすのにもとても役立ちます。
ペアレントトレーニングの3つの種類
トレーニングは、大きく3つの種類に分けられます。具体的な種類は、以下の通り。
【ペアレントトレーニングの3つの種類】
- 精研式・奈良式ペアレントトレーニング
- 肥前式ペアレントトレーニング
- 鳥取大学式ペアレントトレーニング
この後の項目では、トレーニングの種類とそれぞれの特徴を解説します。
精研式・奈良式ペアレントトレーニング
子どもの行動を3つのタイプに分類し、それぞれの対応方法を考えていくトレーニング方式です。アメリカでADHDの子どもをもつ親向けに開発されましたが、日本国内ではさまざまな障がいに対応できるようアレンジし活用されています。
「子どもが何をしたら、どうするか」が明確になり、子育てにおける迷いや不安が減っていくのが魅力です。また、実践結果は次の回で共有するので、各家庭の情報を取り入れやすいのも魅力となっています。
肥前式ペアレントトレーニング
知的障がいを併発しているASDの子どもを持つ親向けに開発されたトレーニングです。現在では、さまざまな障がいに対応できる内容に改良され実施されています。
特定の行動についてグループで考えたり、家庭で記録したりするワークがあるのが特徴です。困っている行動について1つ1つ解決方法を考えられるので、着実に問題点を解消していけるのが魅力のトレーニングといえます。
また、さまざまな親の考えや、子どもの行動などを知れるの特徴です。さまざまな子どもがいるんだと知ると、子どもとの接し方を柔軟に変えるのに役立ちます。
鳥取大学式ペアレントトレーニング
応用行動分析を用いた講義やワークを行っていくトレーニング方法です。応用行動分析とは、行動のきっかけや結果に着目したうえで、行動の前後を変えていき適切な行動を促していく手法を意味します。
講義で知識を身につけたり、ワークでより細かいケーススタディをしていったりするのは、ほかの種類と同様です。
ペアレントトレーニングのやり方は?具体例を紹介
日本のペアレントトレーニングは、以下6つの「コアエレメント」を取捨選択して行われます。プログラムの核となる部分なので、どういった種類があるかを把握しておきましょう。
【ペアレントトレーニングのコアエレメント】
- 子どものよいところを探す
- 子どもの行動を3つのタイプに分ける
- 行動理解
- 環境調整
- 子どもへの指示出し
- 子どもの不適切な行動への対応
この後の項目では、6つの要素についてそれぞれ詳しく解説します。
参考:厚生労働省/一般社団法人 日本発達障害ネットワーク JDDnet 事業委員会『ペアレント・トレーニング実践ガイドブック』
子どものよいところを探す
よいところを積極的に探すと、子どもに対して肯定的な関わり方ができるようになります。ほんのささいな行動であっても、見逃さないようにしてあげてください。
【子どものよいところを探す方法】
- 全てができていなくても、25%程度できていたら良いとする
- 得意なことを把握しておく
- 以前注意したことを改善できていたら褒める
子どもが良い行動をしたら、しっかりと褒めてあげましょう。また、本人が好きな活動(ゲーム、読書など)をさせてあげるのも効果的です。
良いところを積極的に探していくと、特性に応じた凹凸を踏まえて、適切な関わり方ができるようになります。マイナスなところだけに目がいってしまいがちな状況を打破するのに効果的です。
子どもの行動を3つのタイプに分ける
子どもの行動を3つのタイプに分類していく取り組みもあります。具体的な分類方法は以下の通り。
【行動分けの種類】
- 好ましい行動
- 好ましくない行動
- 許しがたい行動
上記の分類分けをしたうえで、それぞれの行動を取ったときにどう対応するかを考えていきます。良い行いをしたらどう褒めるか、逆に悪い行いをしたらどう声をかけるかを考えるのです。
行動理解
子どもの行動についてABCの三段階に分け、分析する取り組みです。具体的には、以下のような流れで分析を進めていきます。
【ABC分析の概要】
- A:行動をおこしたきっかけ
- B:おこした行動
- C:行動した結果
取り組みの目的は「行動の理由を適切に把握すること」です。なぜそういった行動をしたのかを理解して、接し方を考えるのに役立てます。
また、行動の理由を把握すると「なんであんなことをするのか理解できない」といったストレスから解放され、子育てに余裕を持てます。子どもと適切に接するとともに、精神的な余裕をもって子育てをするために行うのが行動理解です。
環境調整
適切な行動をしやすくするために、環境を子どもが過ごしやすいように調整していく取り組みです。具体的な内容は、以下の通り。
【環境調整の具体例】
- 感覚過敏があれば、パーテーションや遮音カーテンなどで対策する
- 気が散る要素が多ければ、部屋を掃除したり、掲示物をはがしたりする
- 着替えがなかなかできない場合は、着替えの手順を掲示したり、衣服収納を見直したりする
前述した「行動理解」におけるA(きっかけ)の部分を理解し、改善していくのが環境調整です。最初は家庭内の状況を見直し、収納方法を見直したり、何らかの手順を紙にまとめ掲示したりします。
ADHDやASDといった障がいを持っていると、周辺環境によって集中が途切れやすくなったり、物事に手が付きにくくなったりします。環境を調整するだけでも、不適切な行動を減らし、適切な行動を促すのにとても効果があるのです。
子どもへの指示出し
何か問題のある行動をとったときに、どう接するか考える取り組みです。具体的には、以下のポイントをおさえたうえで、接し方を考えていきます。
【子どもへの指示出しのポイント】
- いら立ちや怒りをおさえ、おだやかに接する
- 子どもの近くに行って伝える
- 落ち着いて静かな声で伝える
感情的になって大きな声で叱ると、本人も混乱します。また、親子の関係性が崩れ、その他の取り組みの効果が表れにくくなるので注意しましょう。
子どもの不適切な行動への対応
何か問題のある行動をした際に、落ち着いて対処するための方法を学ぶ取り組みです。行動に注目して感情を高ぶらせるのではなく、客観的に見て冷静に対応する姿勢が求められます。
また、原則として意図的に無視をし、良い行いをした場合にのみ褒めるようにトレーニングを重ねます。問題行動に反応しすぎると、さらに悪化するリスクがあるためです。指示の方法や、環境調整のやり方なども含め、多角的に学びを深めます。
ペアレントトレーニングに期待できる効果・メリット
トレーニングを受けると、親にとってメリットがあるのはもちろん、子どもにとってもさまざまなメリットがあります。
【ペアレントトレーニングに期待できる効果・メリット】
- 子どもに対する効果・メリット
- 親に対する効果・メリット
この後の項目では、トレーニングで期待できる効果やメリットについて、親子に分けて解説します。
子どもに対する効果・メリット
子どもに対するメリットとしては、どういった行動が適切・不適切なのかが明確になるといった点があげられます。結果として、適切な行動が多くなり、問題に繋がる行動は減っていきます。
【子どもに対する具体的な効果・メリット】
- 良い行いをすれば褒めてもらえるんだと自信をもてる
- どういった行いが、どういった場所だとNGなのかが分かる
また、親の自分への理解度が高まり、日常のストレスが減るのもメリットのひとつです。これまで叱られてばかりで混乱していた子どもでも、親がトレーニングを受講してから生活しやすくなったケースが多くあります。
親に対する効果・メリット
親に対する効果・メリットとしては、子どもとの適切な接し方が明確になるといった点があげられます。具体的な効果・メリットは、以下の通り。
【親に対する具体的な効果・メリット】
- 子どもがどうして問題行動をおこすのかが分かる
- 子どもとの適切な接し方を学び、自信をもって子育てができる
- ほかの家庭の状況を詳しく共有してもらえる
ほかの家庭の状況を共有してもらえるのも、トレーニングを受講するメリットです。さまざまな子どもの特性や対応方法を知っておくことで、自分の子どもに対してより柔軟に対応できるようになります。
ペアレントトレーニングに関するよくある質問
トレーニングを受けている親が周囲におらず、なかなか情報が得られないとお困りの方も多いでしょう。特に、以下の点を疑問や不安に感じる親が多くいます。
【ペアレントトレーニングに関するよくある質問】
- ペアレントトレーニングは何歳から受けられる?
- ペアレントトレーニングを実施できる人は?
- ペアレントプログラムとペアレントトレーニングの違いは?
以下の項目では、トレーニングに関するよくある質問3つに回答していきます。
ペアレントトレーニングは何歳から受けられる?
プログラムによって異なりますが、一般的には3〜4歳ごろの子どもを持つ親を対象としているケースが多くあります。参加者にどういった親が多いかは、場所や時期によって異なるので、事前に確認するのがおすすめです。
子どもの年齢層があまりにも違うと、情報共有をしても参考になりにくくなります。トレーニングの魅力は「ほかの家庭の情報を知れること」なので、有益な情報を得られるように、近い年齢の子どもをもつ親が多い場所に参加しましょう。
なお、子どもに障がいがなくても参加できるトレーニングも多くあります。グレーゾーンで確定診断がされなかった場合でも、子育てで困っていることがあれば、参加できないか問い合わせてみてください。
ペアレントトレーニングを実施できる人は?
トレーニングに関する専門知識のある人物、具体的には保育士・医師・心理士などが実施しているケースがほとんどです。ただし、トレーニング実施に関する資格はなく、専門知識があれば実施できるようになっています。
日本国内では、トレーニングの効果的な実施方法について専門家たちがまとめた資料が作成されています。基本プラットホームと呼ばれる資料で、国内のトレーニングを実施する基盤となっています。
ペアレントプログラムとペアレントトレーニングの違いは?
具体的な違いは、内容と位置付けです。プログラムは子どもの行動を観察し、考えるのが主な内容です。トレーニングを行う基礎として位置付けられています。行動を観察・考察して、褒められるポイントを探っていくのがプログラムです。
一方トレーニングは、子どもの行動を観察・考察するだけでなく、親としてどのように接するべきかまで考えます。特性による困難を減らすためにどうすべきか、子どもがいる環境はどうすべきかなど、親子の関わり方やサポート方法まで深く考えます。
トレーニングを行うためには、まず子どもの行動を日々観察したり、思考を読み取ってあげたりするスキルが必要です。プログラムを行えば、行動を観察する習慣を身につけつつ、子どもの考えを読み取る力が付けられます。
まとめ
子どもに障がいがあり、子育てについて毎日のように悩んでいる方は、ぜひトレーニングを受講してみてください。接し方について学べるのはもちろん、同じ境遇の親とのつながりを持てます。
子育てが劇的にやりやすくなる手法ではありませんが、何が正解か分からずひとりで落ち込んでしまうといった状況を改善できる可能性は十分にあります。本記事を読んで興味を持った方は、ぜひお近くのトレーニング団体に問い合わせてみてください。
この記事を読む方で子育てについて下記、お悩みをお持ちではありませんか?
- 「ゲーム・スマホばかりで将来が不安になる・・」
- 「なんでうちの子だけ・・と思うことがある」
- 「「なんで何度言ってもわからないの!?」と咎めてしまう」
- 「ついつい「あんたは、何やってるの?」と怒鳴ったり手をあげてしまう・・」
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