【2024年版】「専門家が解説!もうイライラしない!夏休み中の子育てセミナー」レポート
夏休みが近づいてくると、お子さまの過ごし方について不安を感じることはありませんか?
すららネットが調査した保護者の方へのアンケートでは、夏休み期間中にストレスを感じるお母さまが多いことがわかりました。
特に、ゲームの利用時間や起床・就寝時間、学習時間などがストレスの原因として挙げられています。また、テレワークや在宅勤務の増加も影響があるようです。
このことをふまえて、ウィザスグループとすららネットでは、共同のオンラインセミナー「専門家が解説!もうイライラしない!夏休みの子育て」を2024年7月13日に開催しました。
このセミナーでは、すららネットの臨床心理士である道地真喜先生と日本アンガーマネジメント協会公認講師の小尻美奈先生が「ストレスが溜まりやすい・感じやすい」 場面や事前にいただいたご質問をもとに、正しい褒め方のスキルであるほめビりティの視点と、イライラしてしまう怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントの観点で、今日からすぐに実践できる方法を解説しました。
本記事では、このセミナーの様子をお伝えします。ぜひ、過ごしやすい夏休みを迎えるためのヒントにご活用ください。
そもそも、イライラしてはいけないのか?
夏休みになると、いつもより長時間スマホやゲームを見ている子どもの様子についイライラしてしまうことがあるかもしれません。
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朝の涼しいうちに宿題をやるとはかどるのに…。
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午後から出かけるから、その前にやるべきことを済ませてほしいのに…。
そんな思いはなかなか伝わらず、子どもはスマホやゲームから目を離さない。結局、何もやらずに時間ばかりが過ぎてしまうので、イライラが積もってしまう…なんてことがあるかもしれません。
そんなことを想像してしまう方へ、これから迎える夏休みに予想されるイライラとどのように付き合えばいいのか、日本アンガーマネジメント協会公認講師の小尻美奈先生が解説します。
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会公認講師:小尻 美奈 先生
幼稚園、保育専門学校などの教育現場をへて、現在はアンガーマネジメントコンサルタントとして保護者向け講演会をはじめ、教育機関・企業・官公庁での研修や1on1セッション、子ども向けの授業でもアンガーマネジメントを伝えている。また、2016年より協会の本部主催登壇講師として指導者の育成にも従事し、認定資格者の指導人数は約1000名。
著書「ママも子どももイライラしない親子でできるアンガーマネジメント」(翔泳社)「心を育む子どものアンガーマネジメント」(チャイルド社)共著「子育てのイライラスッキリ解消!ママのアンガーマネジメント8つのマジック」(合同出版)等。韓国、台湾、中国でも翻訳されている。 メディア掲載はNHK・毎日小学生新聞・共同通信社・東京新聞・教職研修・保育ナビ・プレジデントfamily・VERY・CHANTOなど多数。
子どもを「怒ってはいけない」わけではない理由
「怒らないようにしよう」と思っていても、いろいろな予期せぬ事態が重なることの多い子育て。毎日怒らずにずっと笑顔で過ごすことは、とても難しいものです。
このことについて小尻先生は以下のように解説しました。
「怒りとは、嬉しい、悲しい、楽しいと同じように、人間にとって自然な感情の1つです。怒りのない人はいないし、なくすことも不可能。イライラやモヤモヤは、おかしいことでもいけないことでもなく、身を守るための感情なのですから。」
「イライラしないというタイトルのセミナーではあるものの、イライラしてもいいんです!」
どんなに穏やかなお母さんでも、どんなに優しいお父さんでも、イライラする怒りの感情をなくすことはできません。なぜかというと、怒りには防衛感情という大事な機能と役割があるかです。
私たちは心の安心安全を脅かされそうになった時、怒りで自分を守ろうとしているのです。
例えば…
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子どもが洋服を脱いでそのままにしていたとき
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食べた食器をそのままテーブルの上に置いたままでとても散らかってしまっているとき
このようなときのイライラは「何かを侵害されているからイライラしている」ということなのです。
つまり、快適な空間であるはずの環境が侵害されているからかもしれないし、その片付けを私がしなければならないという、保護者の方の時間や労力を奪われているように感じ、それらを守りたくて生まれる怒りなのかもしれない。
「怒り」は自然な感情であり大事なものであること。「怒ってはいけない」というわけではないということがよくわかりました。
続けて、アンガーマネジメントについても解説していただきました。
アンガーマネジメントとはどのようなものでしょうか。
言葉の意味はアンガーは「怒り」マネジメントは「後悔しないこと」と意訳をしています。よく「褒めなきゃいけない」「怒ってはいけない」というイメージを持たれるため、怒ることはマイナスなイメージが大きくなってしまいがちです。しかし、アンガーマネジメントは怒らないことを目指すものでも、怒らないように頑張るものでもありません。怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
私が講演会をすると参加者に「子育てをする中で怒って後悔したことはありませんか?」と質問を投げかけることがあります。すると「あります!」と手をあげる方がたくさんいらっしゃいます。
本当は怒る必要がないことなのに、つい感情的になって怒ってしまう。
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あんなふうに怒らなければよかった…
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本当は言ったほうがいいことなのに、我慢して我慢して、やっぱり言えばよかった…
どちらも後悔につながってしまうのです。
では、どのようにすれば怒りで後悔しないようになるのでしょうか。
怒る必要があるときは上手に怒ることができ、怒る必要のないことは怒らないようになること。これらの線引きが上手にできるようになることこそ、上手に怒りをコントロールできるということなのです。
アンケートの結果
すららネットにて「お子さまの夏休みの過ごし方について、ストレスを感じたり、イライラしてしまうものがあれば教えてください」というアンケート調査を行いました。こちらは以下のような結果になりました。(複数回答可)※
- 長時間ゲームやスマホを使っている(58.8%)
- 計画的に勉強や読書をしない(48.5%)
- 宿題をしない、または後回しにする(43.5%)
- 生活リズムが乱れている(34%)
- 片付けや手伝いをしない(26.2%)
- 親の話を聞かない、または反抗的な態度をとる(24.6%)
- 兄弟姉妹とよくけんかをする(23.9%)
- 食事の好き嫌いをする、または食べ残しが多い(11%)
- この中でストレスを感じたり、イライラするものはありません(10.8%)
- 家の中で大声を出したり、走り回ったりする(8.4%)
- 外出先で騒いだり、他人に迷惑をかけたりする(3.7%)
※対象:すらら家庭学習利用者の保護者(回答数:573名)、方法:WEB調査、期間:2024年6月21日~6月30日
このアンケートでも「長時間ゲームやスマホを使っている」と回答されたご家庭が多く、58.8%と半数以上の方がストレスを感じているようです。このお悩みが1番多い理由の中には、ゲームやインターネットは大人の方が不得意な分野であることが多いため「どのような形で子どもと会話をしたらいいのかわからない」という声もあるようです。
また、計画的に勉強や読書をしない(48.5%)、宿題をしない、または後回しにする(43.5%)、生活リズムが乱れている(34%)と続く結果には、長時間のゲームやスマホを起点として派生した形で起きてしまっているのではないか、と考えることもできそうです。
では、このような子どもの様子にストレスやイライラを感じた時、どのようにすれば上手に怒りをコントロールできるのでしょうか。
このことについて、小尻先生は以下のように解説されました。
怒りの正体を知ること
まずは、怒りの正体を知るところから始めてみましょう。
イライラの正体は、実は長時間ゲームやスマホを使っている子どもではありません。長時間ゲームやスマホを使っているという出来事がイライラさせているのでもありません。
本当の怒りの正体は自分の内側にあります。
「ゲームやスマホは長時間つかうべきではない。」「ゲームやスマホは1時間でやめるべき」という、自分の中にある「こうしてほしい」と思う理想や期待、願望や欲求である「べき」が裏切られたときに、イライラしたり、カチンとしたり、モヤモヤにつながっているのです。
アンガーマネジメント
「怒る必要のあること」と「怒る必要のないこと」を線引きする
怒りの正体である「ゲームを長時間使うべきではない」の「べき」と上手に付き合うには、どのくらいの時間であれば①許せる、②まぁ許せる、③許せないのか、べきの境界線を明確にします。
セミナーの中で、参加している保護者の皆さんに、子どもがゲームやスマホを使う時間として、どのくらいの時間であれば「①許せる」「②まぁ許せる」「③許せない」のかアンケートをとりました。すると、以下のような結果にはなりましたが、べきの境界線は各家庭で違っていました。
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1.許せるゾーン …理想のゲーム時間は1時間が多い
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2.まぁ許せるゾーン…まぁ許せるゲーム時間は2時間が多い
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3.許せないゾーン …許せないゲーム時間は3時間が多い
このように、許せる(理想の)ゲーム時間は1時間、まぁ許せるゲーム時間は2時間、許せないゲーム時間は3時間という多くの声が集まりました。3時間は断然許せないゾーンの保護者の方が多いものの、中には許せるゾーンやまぁ許せるゾーンの保護者の方もいます。だからこそ、それぞれの家庭で境界線を明確にする必要性があります。
意識するのは「べき」の境界線
意識してほしいのは、2.まぁ許せるゾーンと、3.許せないゾーンの境界です。この境界はズレやすく、気分がいい時は2.まぁ許せるゾーンが広くなりがちです。そして、気分がよくない(疲れている、暑いなど)時は、2.まぁ許せるゾーンが狭くなって怒ってしまうというように機嫌によって怒る基準が変わってしまいがちなので、子どもは何を守ればいいのかわからなくなってしまうのです。
また、ゲームの時間が本当は3.許せないゾーンなのに、子どもが騒ぐのでめんどくさいからと2.まぁ許せるにして怒らないのも境界線がぶれています。
騒ぐとゲームをやらせてくれると子どもが認識してしまっていたら、やめてほしい行動がエスカレートしてしまいます。つまり、子どもがますます騒ぐようになったり、たくさんゲームをするようになってしまうのです。
このように、境界線が親や子どもの機嫌によってぶれていると、子どもに求める行動が改善されないことで、イライラがさらに積もってしまうことになります。
怒る必要のあることとないことの線引きができることで、基準で怒ることができるため、イライラに振り回されなくなるということでした。その他にもべきの境界線と上手に付き合うヒントのお話もありました。
ゲームと子どもの距離感を考えよう
ここまで、保護者の方のイライラを上手にコントロールする方法について、アンガーマネジメントの観点から解説してきました。
次は、子どものゲームとの上手な付き合い方について、すららネット臨床心理士の道地真喜先生が「ほめビリティ」サービスの視点から以下のように解説します。
株式会社すららネット 臨床心理士:道地真喜 先生
(株)すららネット 子どもの発達支援室 臨床心理士
カリフォルニア州立大学院(修士)教育学 他
ゲーム中毒にならないための防止策は「ルール作り」
最近、ニュースなどで「ゲーム中毒」や「ゲーム障害」という言葉を見かけて、もしかしたら我が子もそうかもしれない…と、心配している保護者の方も多いのではないでしょうか。
2019年5月、WHOが「ゲーム中毒」を「ゲーム障害」として国際疾病に認定しました。
WHOの定義
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ゲームをする時間や場所などに対するコントロールの欠如(時間を守れない、隠れてやってしまう)
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日常生活よりもゲームを優先してしまう(学校に行かずにゲーム、宿題をやらずにゲーム)
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悪影響があるにもかかわらずゲームをやめられない(親子間でのコミュニケーションが減ってきた)
このようなWHOの定義を見ると、ゲーム中毒、ゲーム障害はとても身近なものに感じられます。
では、なぜゲーム中毒やゲーム障害になってしまうのでしょうか。
道地先生のもとに寄せられる質問の中には、「何時間ゲームをやったらゲーム中毒なんですか?」というものが多くあります。
ところが、ゲーム中毒には何時間以上という決まりはなく、1日3時間でゲーム中毒になる子どももいれば、何時間やっても中毒にならない子どももいる。これは、脳の神経伝達物質の1つであるドーパミンと深い関わりがあるからです。
ゲームをしている時にドーパミンが増えると快楽を感じられることがあります。また、やる気が出たり、集中できたり、記憶力がよくなったりします。
ゲーム中毒になりかけている子どもや集中力が続かない子どもは、この脳内のドーパミンが少ない状態でゲームをやり始めるので、よりゲーム中に快楽を感じやすくなっています。このドーパミンはゲームをしている時に限り出ているものなので、同じ快楽を感じるために、より強い刺激が必要になってくる。そしてさらに長い時間ゲームをしてしまう。この状況を改善するためには、ゲーム以外の家庭環境でドーパミンを増やしていくことが必要だと考えられているのです。
例えば…
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30分の運動をすること
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家族団らん(ボードゲーム・話題の絶えないおしゃべりなど)をすること
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自然と触れ合うこと
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音楽を聴くこと
このような方法でドーパミンを増やします。そして、保護者の方はただ見守るのではなく、早めに介入して家庭環境の改善をすることが大切になってくるのです。
いろいろな子育てのスタイル
では、私たちがよりよく子どもと関わるために、どのような子育てスタイルを目指していけばいいのでしょうか。子どもがゲーム中毒を改善する過程で、家庭環境を整えていくための深い関わりがあるのが、子育てスタイルです。
子育てスタイルには「独裁的子育てスタイル」「無関心子育てスタイル」「消極的子育てスタイル」「民主的子育てスタイル」という4つの代表的なものがあり、すららネットで行っている「ほめビリティ ペアレンティング」でも、この子育てスタイルを保護者の皆さんに考えてもらうことがあります。
道地先生は「消極的子育てスタイル」「民主的子育てスタイル」の2つの子育てスタイルについて以下のように解説しました。
「消極的子育てスタイル」の多くの保護者の方は、とても愛情深く、子どものことを第1に考え、友達のような関係を保っています。子どもは独立した1人の人間であると考えているので、自分で考えてほしい。保護者の決めたルールを押し付けず、子どもの気持ちを最優先にするのです。
しかし、ルールがないため、自制心が育まれません。
自制心がないので、衝動性が見られたり、子ども同士のトラブルが発生しやすかったり、挑戦するより楽な道を選びがちになる。つまり、スマホやゲームなどのデジタル中毒になりやすくなるのです。
次は、すららネットのほめビリティが目指している「民主的子育てスタイル」です。この「民主的子育てスタイル」も「消極的子育てスタイル」と同じようにとても愛情深く、子どもの意見に耳を傾けます。しかし、ルールを導入するときに背景やルールをしっかりと説明するという点で「消極的子育てスタイル」と異なります。罰や脅しで行動を制限するのではなく、よい行動を強化することに重点を置くので、より自立しやすくなります。そして感情のコントロールがうまくなるので、社交的になります。すると学業がうまくいきやすく、子どもが新しいことにも挑戦しようとするのです。
ルールを守らない場合の正の強化(正の罰)
では、作ったルールを子どもが守らなかった場合はどうすればいいのでしょうか。
行動心理学の観点である「行動のABC」に子どもの行動をあてはめて、どのようにすればいい行動を増やせるか考えてみましょう。
好きなものを与えて強化する行動(正の強化)
A.先行条件(~のときに)…学校のテストのときに
B.行動(~したら)…一生懸命頑張ったので
C.結果(~だった)…お母さんが欲しいものを買ってくれた。
この正の強化は、Cの結果によりBがより強化され、より一生懸命頑張れるようになっていきます。一生懸命頑張ったことを強化するために、好ましい行動に対して子どもの好きなものを与えることを正の強化といいます。正の強化をすることによって、その好ましい行動を増やし、強化することが繰り返されます。
ところが、知らず知らずに強化してしまう好ましくない行動例は…
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A.先行条件(~のときに)…ゲームの終わりの時間になったとき
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B.行動(~したら)…嫌だと癇癪を起こした
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C.結果(~したら)…ゲームをもっとやらせてもらえた
知らず知らずにやってしまうこの行動例は、Cの結果がBを強化してしまうので、癇癪を起すという行動が強化されてしまいます。これではより好ましくない「いやだと癇癪を起した」という行動がさらに出てきてしまいます。
また、次のような怒る、体罰によっての行動の減少も正の強化にあたり、正の罰ということがあります。
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A.先行条件(~のときに)…ゲームをやめる時間になった
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B.行動(~したら)…いいところだったので約束を守らずにゲームを続けた
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C.結果(~だった)…お父さんに怒鳴られ殴られた
このように怒ることや体罰によって好ましくない行動を減らすことは、一見、行動に対して嫌なものを与えること(正の罰)によってその行動を減らしているように見えます。
しかし、これは短期的な効果であり、どんどん慣れて怒られたり体罰を受けることが当たり前になってしまいます。
つまり、実際は子どもが好ましくない行動をしなくなったのではなく、行動が悪化したり、罰を与えた人(物)からは見えないところで続けたり、噓をつくことになってしまうのです。
ルールを守らない場合の負の罰
では、正の罰より効果的な方法はどのようなものがあるのでしょうか。
それは、望ましくない行動に対して与える負の罰です。
なぜかというと、大切なのは、ルールを守らなかったときに怒ったり罰を与えるということではなく、望ましくない行動には負の罰を与えて「取り除く」ということが効果的になってくるからです。
負の罰を与えて、行動を「取り除く」
A.先行条件(~のときに)…ゲームの時間になったのでルールを伝えた
B.行動(~したら)…ルールを無視した
C.結果(~だった)…ルールが守れなかったら明日のゲームの時間はないよと声掛けをする
この負の罰の場合は、ゲームができなくなるのは嫌だからルールを無視するのはやめよう、というように、Cの結果がBの行動を消去することになります。
このような負の罰は、長期的にゲームを取り上げるのではなく、1日のみゲームを使えない約束にするなど、短期的に取り除くことがより効果的だと言われています。
ルールをなかなか守れないときは「ほめて信頼関係を作る」
では、負の罰をより効果的にするためにはどのようにすればよいのでしょうか。
それは、普段よい行動をしているときに褒めているかどうかがとても重要です。
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負の罰が効果的になるのは、普段よい行動をしているときに子どもを褒めているかどうか。
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よい行動=褒めるの関係性が成り立っていないと「どうせお母さん(お父さん)は何をしても自分に罰を与える」→「何をやっても意味がない」になってしまいがち。
たしかに、毎回ルールを守れないときにゲームを取り上げることだけを続けてしまうと「どうせ、お母さん(お父さん)は何をやっても自分の好きなものを取り上げるんでしょ」「罰をあたえるんでしょ」ということになってしまい、子どもとルール作りをする意味がなくなってしまいます。
このように、道地先生のほめビリティの視点のお話から、普段の子どものいい行動をほめて、よりよい関係を築くことによって負の罰を効果的にすることができるということがわかりました。「いい行動をほめる」ことでルールを守れる関係性を保つために、さっそく今日から子どものよい行動を見つけて、褒めることを始めてみてはいかがでしょうか。
ゲームとスマホのルールを整えて計画的な夏休みを過ごしましょう
ここまで、ほめビリティの視点でルールを守れる関係性を保つための方法について解説してきました。これらをふまえて、計画的な夏休みを過ごすための以下のようなルール作りはいかがでしょうか。
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ゲーム・スマホの時間は学校のある時同様、放課後から9時くらいまで(2,3時間)にすること。
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お友達との時間を供してあげたいのであれば、一人時間のときのデジタルの制限をすること。
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勉強も話し合いの上、やる量の目安を決めておくこと。
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ゲーム中毒になっているご家庭は、運動、家族団らんの時間を入れること。
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やるべきことをやらなかった時にどのような負の罰(ゲーム禁止)が待っているかをあらかじめルールに入れ込んでおくこと。
小学生から中学生、中学生から高校生へ、大きくなるとスマホやゲームの時間をより多く確保したい子どもと、使用時間の交渉することになるかもしれません。その交渉ができる余地を残すためにも、小さいうちは1時間、大きくなるにつれて2~3時間のスマホやゲームの時間を設定するのがおすすめです。
また、友達とのゲーム時間を許容するのであれば、1人の時間のときには少なめに時間を設定するなど、いつもより少し余裕を持ったルール作りをしましょう。
そして、やるべきことをやらなかった時にどのような負の罰(ゲーム禁止)が待っているかをしっかり子どもに伝えて、この夏休みを計画的に過ごせるようチャレンジしてみてください。
まとめ
ここまで、日本アンガーマネジメント協会認定講師の小尻美奈先生とすららネット臨床心理士の道地真喜先生による「もうイライラしない!夏休みの子育て」セミナーの内容を解説してきました。
小尻先生のアンガーマネジメントの観点から「怒ってもいい」という言葉を聞いて安心できたり、イライラの予防法がわかりました。また、道地先生のほめビリティの視点から、たくさん褒めていい関係づくりをしながら、負の罰を取り入れたルール作りが効果的なことを学び、「ぜひ実践してみたい!」と思う保護者の方も多かったのではないでしょうか。
明日からできること
改めて、明日から始められることをまとめてみます。
アンガーマネジメントの観点では、毎日、自分の中にある「べき」に気づいたことを日記のように書き留めて振り返り、「べき」が昨日と今日で違う基準になっていないか確認しながら、イライラと上手に付き合うことがおすすめです。
また、ほめビリティの観点では、ゲーム中毒の不安に対する早めの介入方法がわかりました。明日から子どもとボードゲームをしたり、楽しくおしゃべりしたり、自然とふれあったり、好きな音楽を聴いたり、子どもとの楽しい時間を共有することをおすすめします。
とても長く感じる夏休みですが、必ず最終日がやってきます。心残りのない充実した時間を過ごすために、ぜひ子どもと一緒にルール作りをして、明るい気持ちで夏休みをスタートさせましょう。
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※2016年1月~2017年6月の期間ですららを3ヶ月以上継続している生徒の継続率