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【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの難易度とは?】合格点・基準点や実際の問題例をご紹介

近年日本では、外国人の観光客や労働者が増加傾向となっており、さまざまな場面でのグローバル化が進んでいます。企業が外国人を採用する際、特に注目しているのが日本語に対する理解力です。

日本語の理解度を採用基準にする企業も多く、就業するために日本語能力試験(JLPT)の取得を考えている方も多いでしょう。

そこで本記事では、日本語能力試験(JLPT)のN4レベルについて詳しく解説します。難易度・合格率・取得するメリットなど、気になるポイントを細部まで紹介するので、日本語能力試験(JLPT)の取得を考えている方はぜひ参考にしてください。



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日本語能力試験(JLPT)とは?日本語能力の語学検定試験

日本語能力試験(JLPT)とは、簡単に言うと「日本語能力の語学検定試験」です。「日本語を読む力」「日本語を聞く力」の2つがどの程度なのか、日本語に対する理解度を測るための試験で、母語が日本語以外の方であれば誰でも受験できます。

主催しているのは「公益財団法人日本国際教育支援協会」と「独立行政法人国際交流基金」の2つの団体で、1984年から実施されている歴史ある語学検定試験です。

日本国内だけでなく、全世界でおよそ87の国と地域で開催されており、基本的には7月と12月の年2回行われます。日本国籍があっても母語が日本語以外であれば受験できるため、多くの方が受験しています。

日本語能力試験(JLPT)の受験者数

日本語能力試験は、全世界から見ても最大級の規模を誇る語学認定試験と言えます。年々受験者数は増加しており、2017年は応募者数が100万人を超え、2018年になると応募者数・受験者数共に100万人を超えました。

実施年 実施月 全体応募者数 全体受験者数
2019年 7月 644,104人 550,448人
12月 718,063人 618,067人
2020年 12月 424,147人 370,028人
2021年 7月 387,371人 335,915人
12月 420,210人 348,992人
2022年 7月 426,225人 356,505人
12月 506,293人 431,449人
2023年 7月 698,062人 602,140人
12月 782,961人 663,295人

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

上記の表は、過去5年間における日本語能力試験の応募者数・受験者数の推移です。

2020年は、新型コロナウイルスの影響により全世界一斉に7月の試験が中止となったため、12月のみの開催で受験者数は大きく減少しました

しかし、2021年には年2回の開催が復活し、応募者数・受験者数も回復しました。

そして新型コロナ禍による制限が緩和された2023年は過去最高の約148万人の応募があり、海外応募者数が初めて100万人を突破しました。

今後は今まで以上に受験を希望する外国人が増加すると予想されています。

日本語能力試験(JLPT)にはN1〜N5の5つのレベルがある

日本語能力試験には、「N1」「N2」「N3」「N4」「N5」の5つのレベルが用意されており、自分の能力に適した難易度を受験できます

数値が小さいほど難易度が高くなっており、最も求められる能力が高いのがN1、一番難易度が低いレベルがN5です。それぞれのレベルで求められる能力についてまとめたので、その違いや難易度をチェックしてください。

レベル 特徴
N1
  • 最も高いレベル
  • 日常生活やビジネスなどにおける日本語に対して問題なく理解できる
  • 自然なスピードで会話やニュースを聞き、内容や話の流れを理解できる
N2
  • 日常生活やビジネスなどにおける日本語に対してある程度理解できる
  • ビジネスレベルの日本語が理解できる
  • 自然に近いスピードで話を聞き、その要旨を理解できる
N3
  • 5つのレベルのうち中級レベル
  • 日常的に活用される日本語に対してある程度理解できる
  • 会話を聞き、その登場人物同士の関係性や話の具体的な流れを把握できる
N4
  • 基本的な日常の中で必要となる日本語を理解できる
  • 日常使いの漢字や語彙が含まれている文章を読み、その内容を理解できる
  • ゆっくり目のスピードであれば会話の内容をほぼ理解できる
N5
  • 日本語能力試験の中で最も低いレベル
  • 基本的な日本語に対してある程度理解できる
  • 短くゆっくり目の会話であれば必要な情報を聞き取ることができる

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの難易度

では、日本語能力試験のN4レベルではどの程度の能力が求められるのでしょうか。

日本語能力試験は、「話す」「聞く」「書く」「読む」の4つの技能うち「聞く力」「読む力」を測る試験です。N4レベルで求められる「聞く力」「読む力」を確認していきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの難易度】

  • 日本語を読む力
  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

N4の読む力では、基本的な漢字や語彙を使用して書かれた身近な話題に関連する内容を読み、正しく理解できる力が求められます。

日本語の文章は、複雑な文法を使用していることが多いうえに、「漢字」「ひらがな」「カタカナ」と異なる文字を使用しています。こうした点もしっかりと理解し、正しく文章の内容を把握できるのがN4レベルの読む力です。

日本語を聞く力

N4レベルで求められる聞く力は、「日常的な場面においてゆっくり話される会話であれば、ほぼその内容を理解できるレベル」です。

日本人からすると意思疎通に若干のストレスを感じることもありますが、ホテル・レストラン・介護施設での就業が可能なレベルとなっています。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの合格点と合格率

日本語能力試験では、「総合得点」「区分別得点」の2つの採点方式で合否を判定します。総合得点については定められた合格点があり、区分別得点には「言語知識・読解」「聴解」のそれぞれに基準点が設けられています。

合格するためには合格点・基準点の全てをクリアする必要があり、どれか1つでも下回ってしまえば合格にはなりません。N4レベルの合格点は下記のとおりです。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 90点
得点区分別得点 言語知識
(文法・語彙・文字)・読解
得点範囲 0~120点
基準点 38点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

引用:日本語能力試験「よくある質問・得点と合否判定について

次に、N4レベルの合格率について見ていきましょう。試験を受ける方にとって、実際の合格率は特に気になるポイントと言えます。

まずは、過去5年間におけるN4レベルの合格率を受験者数と共に表でチェックしてください。

実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2019年 7月 26,065人/79,731人
(32.7%)
12月 31,317人/103,503人
(30.3%)
2020年 12月 23,109人/52,993人
(43.6%)
2021年 7月 20,552人/41,074人
(50.0%)
12月 21,073人/48,511人
(43.4%)
2022年 7月 25,323人/55,544人
(45.6%)
12月 43,798人/107,539人
(40.7%)
2023年 7月 63,184人/148,410人
(42.6%)
12月 47,243人/149,334人
(31.6%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

2019年から2023年の過去5年間における合格率の平均は「40.0%」です

N4レベルは、2020年から合格率が上がり40%を下回ることが少なくなりました。その理由として挙げられるのが、新型コロナウイルスにより外出の制限が設けられたことで、勉強時間を多く確保することができるようになった点です。

その後もリモートワークが進み、少しの隙間時間でも自宅学習の時間を取ることが可能となったため、今後も合格率40%以上を維持されることが期待されます。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの試験情報

ここからは、日本語能力試験のN4レベルの試験時間・科目を確認しましょう。

【日本語能力試験N4レベルの試験時間】

  • 言語知識(語彙・文字):25分
  • 言語知識(文法):55分
  • 聴解問題:35分

言語知識の試験時間は、語彙・文字が25分で文法が55分です。聴解の試験時間は35分となっており、トータルで1時間55分になります。

次に、N4レベルの詳しい試験問題の構成と大問を確認しましょう。

試験科目 大問
言語知識・読解 文字・語彙 漢字読み
表記
文脈規定
言い換え類義
用法
文法 文法形式の判断
文の組み立て
文章の文法
読解 短文の内容理解
中文の内容理解
情報検索
聴解 課題理解
ポイント理解
発話表現
即時応答

日本語能力試験は「聞く力」「読む力」を測るための試験で、テストはマークシート形式です。問題に対する答えはすべて選択式となっており、文章や文字を見て正しい答えを選び出します。

テストの結果はもちろんですが、問題を読んで解くこと自体が既に読む力を測っていると言っても過言ではありません。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの問題例

日本語能力試験では、科目ごとにさまざまな問題が出題されます。実際の問題例を公式サイトで確認できるため、ぜひ一度チェックしてみてください。

ここでは、日本語能力試験のN4レベルの問題例を一部紹介します。

【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの問題例3選】

  • 問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

文章の中で使っている漢字の正しい読みを選択する問題です。

「あには バスで 会社に (通って) います。」

(1)むかって(2)かよって(3)わたって(4)もどって

この問いの答えは「(2)かよって」です。どれを選んでも文章にさほど違和感を感じない内容となっており、外国人からすると複雑に思うような問題になっています。

問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

文章に適した漢字を選ぶ問題です。

「ふねで にもつを (おくります)。」

(1)近ります(2)逆ります(3)辺ります(4)送ります

この問いの答えは「(4)送ります」です。全て同じ「しんにょう」を使った漢字で、それぞれの意味や読みを把握していないと正解を選ぶことが難しいでしょう。

問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

空欄に最も適切な単語を入れ、文章を完成させる問題です。

「スーパーで もらった ()を 見ると、 何を 買ったか わかります。」

(1)レジ(2)レシート(3)おつり(4)さいふ

この問いの答えは「(2)レシート」です。選択肢はスーパーで買い物をする際に関連のあるものばかりで、それぞれ何を意味する言葉なのかを把握できていなければ正答できません。

外国人が日本語能力試験(JLPT)のN4レベルを取得するメリット

日本語能力試験は、日本語に対する理解度を自分自身で把握するための指標となり、具体的なレベルを就職先や留学先に示すために重要な試験と言えます。企業の採用条件に含まれていることもあるため、働ける会社の幅が広がるというのも大きなメリットです。

さらに、2019年からは特定技能制度が開始され、特定技能ビザを取得するには日本語能力試験のN4レベル以上が必要になります。

特定技能ビザを取得したい方は、まずは対象の中で一番難易度が低いN4レベルを目指しましょう。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルに関するよくある質問

最後に、日本語能力試験のN4レベルに関するよくある質問の中で、特に知っておくべき2つの項目について詳しく紹介します。

【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルに関するよくある質問2選】

  • 日本語能力試験(JLPT)のN4レベルを取得した人の実際の日本語レベルは?
  • N4はN1よりも合格率が高い?

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルを取得した人の実際の日本語レベルは?

日本語能力試験のN4レベルでは、日常的な内容をほぼ理解できる「読む力」と「聞く力」が求められていますが、同じように「書く力」「話す力」があるとは限りません

日本語能力試験の項目は文字・文法・語彙・聴解で、言語知識や聞く力を試す試験です。話す力や書く力を測る試験項目はありません。

そのため、N4レベルを取得してもコミュニケーション能力やビジネスにおける会話力はないケースもあり、実際の日常生活における日本語レベルとのギャップが大きいこともあります。

N4はN1よりも合格率が高い?

過去5年間のN1・N4レベルの合格者数と合格率をまとめました。

実施年 実施月 N1レベルの合格者数
(合格率)
N4レベルの合格者数
(合格率)
2019年 7月 34,235人
(29.3%)
26,065人
(32.7%)
12月 39,312人
(30.8%)
31,317人
(30.3%)
2020年 12月 36,270人
(45.2%)
23,109人
(43.6%)
2021年 7月 37,516人
(39.4%)
20,552人
(50.0%)
12月 30,926人
(34.5%)
21,073人
(43.4%)
2022年 7月 27,246人
(30.2%)
25,323人
(45.6%)
12月 24,782人
(30.8%)
43,798人
(40.7%)
2023年 7月 40,975人
(34.0%)
63,184人
(42.6%)
12月 37,553人
(30.9%)
47,243人
(31.6%)

合格率の平均はN1レベルで「33.9%」となり、N4レベルは「40.0%」となっています。大きな差はありませんが、N1レベルよりもN4レベルの方が合格率が高いです。

まとめ:N4レベルを取得して日常における日本語を正しく理解しましょう!

本記事では、日本語能力試験のN4レベルの難易度や合格率などについて詳しく解説しました。日本語能力試験を取得することで、日本語の「読む力」「聞く力」を示すことができます。

企業によっては、日本語能力試験を求人の応募条件にしていることもあるので、日本で就業したい方にとっては重要な試験です。

日本語能力試験のN4レベルでは、基本的な日常会話や身近な話題の文章に対して内容を正しく把握する能力が求められています。N1やN2と比べると簡単な内容ですが、日本語を勉強したばかりの方には難しいです。

本記事でお伝えした情報を参考に、日本語能力試験のN4レベルの受験を検討してください。



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