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【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルとは?】認定に必要な日本語レベルの目安や実際の問題例をご紹介

外国人が日本で進学・就職する場合、学校や企業が重要視するのが日本語の能力です。本人も自分自身の日本語レベルがどの程度あるのかを正しく把握しておく必要があります。

そのために受けるべきなのが、本記事で紹介する「日本語能力試験(JLPT)」です。日本人にはあまり馴染みのない試験ですが、世界的に見ても大規模の試験となっており、様々な国や地域で開催されています。

本記事では、日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度や具体的な合格率、実際の試験同様の問題例まで詳しく紹介します。これから受験を考えている方には必見の内容なので、ぜひ最後までご覧ください。



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日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験(JLPT)とは、母語が日本語以外の人を対象にした日本語能力を測るための試験です。年齢制限などはなく、受験資格が「母語が日本語以外の人」となっているため、現在の国籍が日本でも問題なく試験が受けられます。

基本は7・12月の年2回の開催で、国内に限らず全世界87カ国の国と地域で実施されている世界規模の試験です。1984年から実施されており、「JLPT」や「日能試」と呼ばれることもあります。

英語名称は「Japanese-Language Proficiency Test」で、主催団体は「公益財団法人日本国際教育支援協会」と「独立行政法人国際交流基金」の2つです。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルとは?5段階のうち真ん中のレベル

日本語能力試験は5つのレベルに分類されており、N3レベルは一番真ん中の難易度になります。それぞれのレベルにおける能力の目安を表で確認してみましょう。

レベル 能力
N1 幅広い場面で使用される日本語に対して高い理解力がある
N2 日常的な場面に加え、より幅広い場面で使用される日本語をある程度理解できる
N3 日常的場面で使用される日本語をある程度理解する能力がある
N4 基本的な日本語を正しく理解できる
N5 基本的な日本語に対するある程度の理解力がある

N3レベルは「日常的場面で使用される日本語をある程度理解する能力がある」となっており、日常会話レベルのやりとりが問題なくできる能力が必要と考えておきましょう。

スムーズに言葉のやり取りをして、内容を正しく理解できる能力があれば、日本語能力試験のN3レベルに該当する日本語力があると言えます。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの認定目安

日本語能力試験は、日本語の「話す」「聞く」「書く」「読む」の4技能のうち、「聞く」「読む」の2つの能力を測るための試験です。

先ほど、「N3レベルは日常的場面で使用される日本語をある程度理解する能力がある」と紹介しましたが、具体的にどの程度の能力があればいいのか、その目安をここで詳しく見ていきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの認定目安】

  • 日本語を読む力
  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

日本語能力試験の公式サイト上において提言されている「読む力」の目安は下記の3点です。

【N3レベルで求められる日本語を読む力】

  • 日常的な話題について書かれた具体的な内容を表す文章を読んで理解することができる
  • 新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる
  • 日常的な場面で目にする難易度がやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解することができる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

例えば、新聞を見た際に本文を読む前に見出しの情報からその概要をつかむことができたり、難しい文章でも簡単な言葉に言い換えることで正しく内容を理解できる能力が求められています

N3レベルの読む力は、日常生活における日本語が主となっているため、専門的で複雑な内容のものに対する理解はそこまで求められていません。

日本語を聞く力

日本語を聞く力に関する認定目安は、公式サイトでは下記のように提言されています。

【N3レベルで求められる日本語を聞く力】

日常的な場面で、やや自然に近いスピードのまとまりのある会話を聞いて、話の具体的な内容を登場人物の関係などとあわせてほぼ理解できる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

日常生活においてある程度スムーズに会話ができるレベルであれば、N3レベルが求める聞く力を満たしていると考えておきましょう。日本人同士の会話と同レベルとまではいきませんが、それに近い能力が求められています。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度

日本語能力試験のN3レベルでは、日常生活に支障がないレベルの日本語の理解力が求められています。取得するためにはある程度の語彙力も欠かせません。

ここでは、N3レベル取得のために必要な学習について詳しく紹介します。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの難易度】

  • 約500時間の学習時間が必要と言われている
  • 約4,000語の語彙と約650字の漢字を覚える必要がある

約500時間の学習時間が必要と言われている

日本語能力試験のN3レベルに合格するためには、約500時間の学習時間が必要とされています。

N3レベルは、外国人が超えるべき日本語の壁と言える難易度となっており、1つ下のN4レベルからのステップアップは簡単ではありません。

間違えた部分を何度も繰り返し勉強し直したり、多くの本を読んで理解力を高めたりと、様々な方法で日本語能力を身につけていきましょう。

約4,000語の語彙と約650字の漢字を覚える必要がある

N3レベルでは、「日常的場面で使用される日本語をある程度理解する能力」が求められています。そのため、日ごろ一般的に使用される語彙として約4,000語、漢字は約650字の学習が必要です。

漢字650字は、およそ小学1年生から4年生程度の学習量となっており、一朝一夕でマスターできる量ではありません。そのため、先ほどお伝えしたように、500時間程度の学習時間をしっかりと確保して学ぶようにしてください。

語彙に関しては、日ごろ日本人と会話する機会があれば自然に身につくものも多くあるため、積極的に会話をして日本語に対する理解度を高められるようにしていきましょう。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの合格点・合格率

日本語能力試験では、「総合得点」と「得点区分別得点」の2種類が設けられており、両方クリアしなければ合格にはなりません

まずはN3レベルの合格点について表で確認しておきましょう。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 95点
得点区分別得点 言語知識
(文法・語彙・文字)
得点範囲 0~60点
基準点 19点
読解 得点範囲 0~60点
基準点 19点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

引用:日本語能力試験「よくある質問・得点と合否判定について

総合得点が180点満点中95点、得点区分別得点は「言語知識」「読解」「聴解」のそれぞれが60点満点中19点で合格になります。

次に、N3レベルの合格率について見ていきましょう。


実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2019年 7月 53,666人/136,250人
(39.4%)
12月 48,355人/143,894人
(33.6%)
2020年 12月 53,149人/98,208人
(54.1%)
2021年 7月 37,118人/77,183人
(48.1%)
12月 37,219人/82,283人
(41.5%)
2022年 7月 35,332人/75,210人
(47.0%)
12月 35,332人/75,210人
(37.3%)
2023年 7月 59,479人/136,237人
(43.7%)
12月 57,733人/164,700人
(35.1%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

上記は、日本語能力試験が実施された過去5年間の合格者データです。2019年から2023年で合計9回開催されており、その合格率の平均は42.2%です

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの試験概要

「日本語能力試験のN3レベルの試験時間は?」「試験項目は何がある?」など、受験を検討している方にとって試験内容は特に気になるポイントではないでしょうか。

ここでは、N3レベルの試験概要について紹介します。まずは試験時間について見ていきましょう。

【日本語能力試験N3レベルの試験時間】

  • 言語知識(文字・語彙):30分
  • 言語知識(文法)・読解:70分
  • 聴解:40分

全レベルに共通する事柄として、試験内容は「聞く」「読む」の能力を測るための出題のみです。「書く能力」「話す能力」に関する問題が出されることはありません

試験の回答は全てマークシート形式です。基本は選択問題のみとなっているため、「漢字を書く」「読み仮名を書く」という問題もありません。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの問題例

日本語能力試験の公式サイトでは、無料で実施できる問題例がレベル別で用意されています。サイト上にある問題の中から3つをピックアップしたので、実際の形式をチェックしつつ解いてみましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの問題例】

  • 問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
  • 問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
  • 問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

問1.()に意味が最も近いものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

「(次々に)新しいゲームが作られる。」

(1)だんだん(2)これから(3)いつでも(4)どんどん

この問題の答えは「(4)どんどん」です

「つぎつぎに」という言葉の言い換えを把握しておく必要があり、言葉の意味だけでなく語彙力が試されています。漢字の読みはもちろん、熟語としての使い方を理解していなければ答えられません。

問2.つぎの文の()に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

「父が短気なの()、母の方は気が長い。」

(1)において(2)に対して(3)について(4)によって

この問題の回答は「(2)に対して」です。話し手が何を伝えたいのかを理解し、意図をくみ取れるかどうかが測られる問題です。

問3.()のことばの読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい

「山本さんはクラスの(代表)に選ばれた。」

(1)たいひょう(2)だいひょ(3)だいひょう(4)たいひょ

この問題の答えは「(3)だいひょう」です

似たような読み方の選択肢の中から、正しい漢字の読みを選択します。曖昧に覚えているだけでは正解を導くことができないため、正確な読みをしっかりと学習しておかなければいけません。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルに関するよくある質問

最後に、よくある質問の中でも特に大切な情報を2つ紹介します。本記事で紹介した内容の反復となる部分もあるので、しっかりと理解して受験に向けた準備を万全にしましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN3レベルに関するよくある質問】

  • 日本語能力試験(JLPT)のN3レベルはN1とはどのくらい差がある?
  • 日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの過去問は売っている?

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルはN1とはどのくらい差がある?

N3レベルは日本語能力試験の中で真ん中に位置するレベルとなっており、2つ上には最も高いN1レベルがあります。N3レベルでは日常的な日本語能力が求められていますが、N1レベルではそれ以上の能力が必要です。

【日本語能力試験のN1・N3レベルで求められる能力】

  • N1レベル:幅広い場面で使われる日本語を理解できる
  • N3レベル:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できる

N1レベルでは、日常に限らずビジネスシーンなど幅広い場面における日本語理解力が必要です。

新聞やニュースなどの複雑で難しい内容を自然なスピードで問題なく理解できる必要があり、求められる日本語能力は日本人とあまり差がないほどの高いレベルになります。

日本語能力試験(JLPT)のN3レベルの過去問は売っている?

過去問の問題集は売っています。レベルごとの公式問題集はもちろん、公式サイトにはそれぞれのレベルに合った問題例もあるので、ぜひ一度チェックしてみてください。

現在の自分の日本語能力を知ることにもつながるため、サイト上にある問題を解いてみましょう。

まとめ:日常的な日本語能力を身につけてN3レベルを取得しよう!

N3レベルは、日常的な日本語に対する理解があれば取得可能なレベルです。日本人と同レベルとまではいきませんが、N3レベルの実力があれば日本で生活するうえで困ることはあまりありません。

また、日本語に対してある程度理解できていれば、日本で就職する際に有利になります。まずは自分の日本語力を試す意味でも、N3レベルの試験を受けてみてください。

日本語能力試験は7月・12月の年2回が開催されており、実施されている国や地域も数多くあります。ぜひ本記事でお伝えした情報を参考に、日本語能力試験に向けた準備を進めていきましょう。



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