小学生の漢字学習において、基本的な勉強方法として挙げられるのが「反復練習」です。しかし、実際に反復練習に効果があるのか疑問を感じている保護者も多くいます。なかには、「反復練習は逆効果」と考える方も少なくありません。

そこで本記事では、漢字の学習における反復練習の効果の有無やおすすめの学習方法を詳しく解説します。学年別に親ができるサポートも紹介するので、正しく漢字を覚えて学力を身につけるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。

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漢字の学習では反復練習がNG！？おすすめできない3つの勉強方法

「反復練習は逆効果って聞くけど本当？」「書いて覚えるやり方は意味がない？」

こうした疑問や不安を抱えている保護者は多く、正しい漢字学習が分からず悩んでしまう方は少なくありません。

まずは漢字学習でおすすめできない3つの方法について紹介するので、効率の悪い学び方をしないよう注意しておきましょう。

①過度な反復練習

「反復練習は意味がない」と言われることがありますが、意味がないとされているのは過度な反復です。正しい反復練習は効果が高く、漢字の学習には欠かせない勉強法と言っても過言ではありません。

しかし、過度な反復練習は「漢字を覚えるため」ではなく「記号を書き写すだけの作業」になってしまうので注意が必要です。学習するための行動が単純な作業に変化してしまうと、記憶に定着しないため意味がありません。

漢字そのものをただ書くのではなく、3回から5回ほど書いたらその漢字を使った熟語を調べたり、どんな状況で使用するのか学習したりすると、効率よく漢字を覚えることが可能です。

②漢字の意味や成り立ちを覚えない

「漢字の形を覚える」「とにかく書けるようにする」など、その漢字が持つ意味や成り立ちを覚えない方法はおすすめできません。

成り立ちや使われている部首などを正しく認識していなければ、漢字が単なる記号となってしてしまい、記憶に定着させることが難しくなります。

例えば「化」という漢字の場合、部首はにんべんで右側は横から見た人が逆さまになった様子です。こうした成り立ちを理解することで漢字が持つ本来の意味を把握することができ、「化物」「変化」という熟語も覚えやすくなります。

漢字の形を把握することはもちろん大切ですが、一つの漢字を正しく認識しその熟語も併せて理解することによって、豊かな言語感覚を養うことにも繋がるため、漢字学習は単純にただ文字を書き写せばいいというものではありません。

③書くだけの学習

ただ単純に漢字を書くだけの学習では、大きな効果は見込めません。先ほどお伝えした過度な反復学習に通じる部分もあり、書くだけでは記憶に定着しにくいです。

漢字が好きな子や得意な子も多くいますが、知っている文字を書くだけの学習を繰り返すことで、漢字に対して嫌悪感を抱いたり、勉強そのものに嫌気がさしてしまうケースもあります。

熟語を使用した例文を解いたり、声に出しながら書いたりして、淡々と漢字を書くことだけを重視するのではなく、それ以外の勉強方法も取り入れることが大切です。

漢字練習は意味がない？効果的な漢字の学習方法

ここからは、漢字の学習をより効果的にするための方法を紹介します。

子どもが自らの意志で漢字学習に取り組むためには、スムーズに楽しみながら漢字が覚えられるようにすることが欠かせません。2つの方法について詳しく確認していきましょう。

詰め込まずに分散させて学習する

記憶に定着させることを目的とした学びは、どうしても短期間で詰め込みがちになってしまいます。しかし、一度に詰め込んで学習しても思うように覚えられず、それがきっかけとなり挫折してしまう子どもも少なくありません。

詰め込まずに分散させて学習することで、漢字学習にメリハリがつき集中して学ぶことが可能です。他の教科を挟んだり漢字ではない国語の勉強を行うなど、うまく分散して学習するように意識してみてください。

また、適度に休憩を取り入れながら、集中力を途切れさせないように子どものペースやレベルに合わせて取り組んでいきましょう。

書き順を意識して学習する

小学生で習う漢字のなかには、横棒の数があいまいになるものが少なくありません。また、点の位置を間違えてしまうことが多くあります。

こうした間違いを回避するためには、漢字の書き順を意識して学習することが大切です。正しい書き順で漢字を覚えることができれば、ケアレスミスを防ぐことが可能となります。

書き順を学ぶのにおすすめなのが、スマートフォンやタブレットなどのデジタル教材。動きや色で視覚・音声で聴覚から学習することで子どもでも分かりやすく、正しく理解しやすいのが大きな魅力です。

さらに、自分だけで答え合わせまで完結できるため、自主的に勉強に取り組む姿勢を育むことにも繋がります。

【学年別】漢字の学習において親ができること

「子どもがしっかりと勉強するために親は何をすればいい？」「小さいときは親が率先して学習を促していたけれど、高学年になっても勉強するように言うべき？」こうした悩みを抱えている保護者は少なくありません。

ここからは、学年別に親ができるサポートについて詳しくみていきましょう。

【小学1・2年生】小さなことでも褒める

小学1・2年生の頃は、とにかく小さなことでもしっかりと褒めて認めてあげるようにしてください。

低学年は漢字の基礎的な部分を学習する時期となります。漢字を覚えることももちろん重要ですが、まずは漢字の成り立ちや書き方、意味などを楽しく学ぶことが何より大切です。

親に褒めてもらうことで、子どもはやる気を出しモチベーションを維持することにも繋がります。画数が少なく単純な漢字でも、読み・書きができたらすぐに褒めてあげましょう。

また、漢字をテーマにした絵本などもあるため、寝る前に読んであげたり子ども本人が字を読む練習として取り入れるなどして、漢字に興味を持ってもらうきっかけを作ってあげるのもおすすめです。

【小学3・4年生】焦らずにゆとりを持って取り組ませる

小学3年生は200字・4年生は202字と、小学校6年間のなかで最も覚えるべき漢字の量が多いのがこの2年です。画数が多く形が複雑なものも増え、漢字に苦手意識を持ってしまう子も少なくありません。

3・4年生の漢字学習では、間違えて覚えてしまわないように一つ一つを正しく理解することが重要です。複雑に見える漢字でも、分解すると今まで習ったことがあるものばかりで、実は難しくなく単純なものであるというケースも多くあります。

焦らずゆとりを持ち、子どもに合った勉強方法を見極めてそれぞれのペースに合わせて取り組ませるようにしましょう。

【小学5・6年生】漢字の練習を無理強いしない

5・6年生になると、他教科でも漢字を利用するシーンが非常に多くなります。理科・社会・算数でも漢字を使用するため、しっかり勉強してほしいと口うるさくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、5・6年生にとって単調な漢字学習は苦痛に感じることがあります。とくに書き取り学習は大きなストレスになりかねません。

そのため、漢字の学習を無理強いせず、時には見守ってあげることも意識してみてください。高学年になれば自ら考えて勉強に取り組めるようになるため、子どものやる気をなくしてしまわないようにしましょう。

漢字の反復練習に関するよくある質問

 

最後に、漢字の反復練習に関するよくある質問のなかから、学習の基本となる大切な内容を2つピックアップしました。

子どもの学習を効率よく行うためにも、ここでお伝えする2つの質問について深く理解しておきましょう。

そもそも反復練習とは？

反復練習とは、同じ動作や作業を繰り返して練習する方法です。スポーツにおいても、技術を身につけるために反復練習を取り入れることも少なくありません。漢字練習の場合、同じ字を何度も繰り返し書いて覚える方法になります。

本記事でもお伝えしているように、過度な反復練習は危険です。子どものやる気を削ぎ、漢字に対して苦手意識を強めてしまうこともあります。

書いて覚えるだけではなく、声に出して読み方も意識しながら進めたり、熟語を活用した例文で状況に合わせた使い方をマスターしたりするなど、さまざまな視点からの学習を意識してみてください。

漢字練習のコツは？

スムーズに漢字の学習を進めるためには、練習のコツを把握しておくことが大切です。主なポイントは下記のとおりです。

とくに重要なのは、ただ単純に書くのではなく、読み方を声に出して視覚と一緒に聴覚を刺激することです。また、正しい漢字の意味や成り立ちを深く理解するためにも、まずは部首に注目してみてください。

「とにかく量を書く」ということにこだわりすぎてしまうと、漢字練習が単なる書き取りの作業となってしまうので注意が必要です。

まとめ：反復練習は大切！逆効果にならないように注意してスムーズに漢字を覚えましょう！

小学校の6年間では1,026字もの漢字を覚えます。

低学年では簡単な漢字が中心となりますが、勉強にまだ慣れていないため苦戦してしまう子も少なくありません。3年生から6年生では、難しく複雑な漢字も増えてくるため、漢字学習に挫折してしまうケースも多くあります。

このような場合、親としては何とか覚えさせようと書き取りをやらせようとしますが、過度な反復練習は逆効果です。適度に他教科や休息を挟みつつ、勉強内容にメリハリをつけて取り組めるようにしてあげましょう。

本記事で紹介した内容を参考に、子どものやる気を高めながら効率よく漢字学習ができる環境を整えてあげてください。

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