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日本語能力試験(JLPT)のN5レベルとは?】合格に必要な日本語のレベルや取得するメリット、試験の問題例を徹底解説

日本語を勉強中の外国人におすすめしたい資格試験の1つが「日本語能力試験」です。取得することで進学・就職などで有利になることが多いため、日本の学校や企業に勤めたい方には特に後押ししてくれる資格となるでしょう。

この記事では、日本語能力試験の中のN5レベルに焦点を当てて、試験の概要や合格するまでに必要な日本語レベルについて詳しく説明していきます。受験を検討中の方には必ず役立つ情報なのでぜひ最後までご覧ください。



この記事を読む方で、外国人へ日本語を教えることについて下記のようなお悩みを持っている方はいませんか?

  • 「正しい日本語を聞く機会が少ない」
  • 「母語で意味を確かめながら勉強したい」
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日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験とは、母語が日本語ではない人を対象にした日本語能力を測るためのテストです。国際交流基金と日本国際教育支援協会の2つの団体が主宰する語学検定試験で、日本だけではなく海外でも受けることができます。

日本を含めた世界87か国もの国で実施されており、世界規模で人気のある資格試験の1つと言えるでしょう。

日本語能力試験の認定は、企業では外国人の採用・昇格、学校では入学・進学の際に活用されるケースが多く、社会的に価値のある資格です。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルとは?5つの段階の一番下の難易度

日本語能力試験は5段階に分類されており、N5は一番やさしいレベルの試験です。それぞれのレベルの特徴を確認してみましょう。

レベル 特徴
N1
  • 一番難易度の高いレベル
  • 日常生活に限らずビジネスなどのさまざまな場面で使われる日本語を理解できる
  • 自然なスピードで話される会話やニュースを聞き、内容や話の流れを問題なく理解できる
N2
  • 日常生活やビジネスなどにおける日本語に対してある程度理解できる
  • 自然に近いスピードの会話を聞き、その全容を把握できる
  • 幅広い話題について書かれた新聞の記事も、論旨が複雑でなければ内容を理解できる
N3
  • 日常的場面で使用される日本語をある程度理解する能力がある
  • 日常生活でやや自然に近いスピードのまとまりのある会話を理解できる
  • 日常生活で使う難易度のやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば要旨を理解できる
N4
  • 基本的な日本語を理解できる
  • ゆっくり話される会話の内容であればおおよそ理解できる
  • 日常的に使う漢字や語彙が含まれている文章を読んで理解できる
N5
  • 一番難易度の低いレベル
  • 基本的な日本語に対するある程度の理解力がある
  • 日常生活の中でも頻繁に使い、ゆっくり話される短い会話であれば必要な情報を聞き取る力がある

N5レベルの認定を受けることで、「基本的な日本語がある程度理解できる」と判断されます。日本語能力試験の中では一番容易なレベルではありますが、コミュニケーションが取れる最低限の日本語が分かる証明になるでしょう。

また、現時点での日本語レベルが高くなくても、日本語を積極的に学習中であるというイメージを与えることができるので、企業からも好印象です。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルを取得するメリット

日本語能力試験の取得には、自分の日本語能力を客観視できるだけでなく、社会的にさまざまなメリットがあります。N5を取得する主なメリットは下記のとおりです。

  • 学校での単位・卒業資格の認定
  • 就職など企業での優遇
  • EPAに基づく看護師や介護福祉士の候補者の条件を満たせる
  • 語学力をアピールできる

一番下のレベルではありますが、それでも上記のようなメリットがあります。日本語学習者としてはまだスタートを切ったばかりですが、それでも看護師や介護福祉士として働ける可能性も出てくるほど社会的メリットのある試験と言えるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの難易度

日本語能力試験は「話す・聞く・書く・読む」の4つの能力のうち、「日本語を読む」「日本語を聞く」の2つの技能を確かめるテストです。「話す」「書く」スキルに関しては含まれていないので、合格しても日本語を話せない人もいることが予想されます。

それではN5レベルで求められるレベルについて具体的に見ていきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN5で求められる日本語のレベル】

  • 日本語を読む力
  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

日本語を読む力として求められるスキルは下記のとおりです。

【N5で求められる日本語を読む力】

ひらがなやカタカナ、日常生活で用いられる基本的な漢字で書かれた定型的な語句や文、文章を読んで理解することができる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

N5に合格することで、ひらがな・カタカナ・漢字についても基本的なものは分かると認識されます。日常生活の中で頻繁に使う文章は読んで理解できる力が必要です。

日本語を聞く力

日本語を聞く力に関しては下記のような理解度が必要です。

【N5で求められる日本語を聞く力】

教室や身の回りなど、日常生活でもよく出会う場面で、ゆっくり話される短い会話であれば、必要な情報を聞き取ることができる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

基本的な日本語の理解が必要とされているので、比較的容易でゆっくりと明瞭に話される会話を聞き取る力が求められます。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの合格点・合格率

次に日本語能力試験のN5レベルの合格点と合格率について見ていきましょう。

日本語能力試験は「総合得点」「区分別得点」の2つにおいて、どちらも合格点(基準点)を上回ることで合格とみなされます。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 80点
区分別得点 言語知識
(文法・語彙・文字)・読解
得点範囲 0~120点
基準点 38点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

N5の合格には、総合得点が180点中80点以上、区分別得点として言語知識・読解が120点中38点以上、聴解が60点中19点以上必要です。総合得点が合格点を上回っていても、区分別得点が基準点を下回れば不合格となります。

次に、過去5年間のN5レベルの受験者数・合格率を見ていきましょう。

実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2019年 7月 26,065人/79,731人
(32.7%)
12月 27,163人/64,822人
(41.9%)
2020年 12月 13,731人/24,514人
(56.0%)
2021年 7月 8,042人/11,912人
(67.5%)
12月 16,989人/27,264人
(62.3%)
2022年 7月 17,499人/32,359人
(54.1%)
12月 26,267人/ 55,536人
(47.3%)
2023年 7月 26,522人/52,374人
(50.6%)
12月 29,418人/63,037人
(46.7%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

過去5年間の合格率は平均で51.0%です。受験者の2人に1人は合格していて、5つのレベルの中でもN5が一番合格率が高いという結果が出ています。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの試験概要

N5レベルは日本語能力試験の中では初心者向けの試験です。どのような試験の内容なのか、日本語能力試験のN5レベルの試験概要について紹介します。

N5レベルの試験時間は下記のとおりです。

【日本語能力試験N5レベルの試験時間】

  • 言語知識(語彙・文字):20分
  • 言語知識(文法):40分
  • 聴解問題:30分

最後まで余裕を持って試験を進められるよう、時間配分も頭に入れておく必要があります。

次に、N5レベルの試験科目の構成と大問を見てみましょう。

試験科目 大問
言語知識・読解 文字・語彙 漢字読み
表記
文脈規定
言い換え類義
文法 文法形式の判断
文の組み立て
文章の文法
読解 内容理解(短文)
内容理解(中文)
情報検索
聴解 課題理解
ポイント理解
発話表現
即時応答

日本語の「聞く力」「読む力」を測るために、言語知識・読解・聴解まで細かく構成されているのが分かります。マークシート形式のテストで行われるため、迷わずに解くためにも十分な知識を身につけておく必要があるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの試験問題例

日本語能力試験に向けた勉強をする際には、公式HPに掲載されている問題例が参考になります。下記で3つの問題を紹介するので一緒に解いてみましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルの問題例】

  • 問1.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問2.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問3.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

引用:日本語能力試験「問題例

問1.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

正しい助詞を選ぶ問題です。

「おとうとは へや()そうじを しました。」

1)が(2)を(3)に(4)の

答えは「(4)の」です。自然な日本語を使うためには、助詞を使いこなさなければいけません。

問2.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

文章中の漢字の読み方の問題です。

「(新しい)くるまですね。」

(1)あたらしい(2)あだらしい(3)あらたしい(4)あらだしい

答えは「(1)あたらしい」です。選択肢は紛らわしいものばかりで、「新しい」の正しい読み方・ひらがなを知らなければ解答できません。

問3.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

ひらがなをカタカナに直す問題です。

あの(ほてる)は ゆうめいです。」

(1)ホラル(2)ホテル(3)ホラハ(4)ホテハ

答えは「(2)ホテル」です。「ホ」から始まる似たようなカタカナが並んでいます。カタカナをしっかり理解していることが求められる基本的な問いです。

日本語能力試験(JLPT)のN5レベルに関するよくある質問

最後に、日本語能力試験のN5に関してよくある質問に回答します。これからN5レベルを受験する方が知っておくべき内容なので、ぜひ参考にしてください。

【日本語能力試験(JLPT)のN5レベルに関するよくある質問】

  • 日本語能力試験の2024年の日程は?N5レベルの試験日はいつ?

  • 日本語能力試験は日本人も受けられる?

  • 日本語能力試験のN5レベルの過去問はある?

  • 日本語能力試験のN5レベルを取得するにはどのくらい勉強するべき?

日本語能力試験の2024年の日程は?N5レベルの試験日はいつ?

日本語能力試験の開催は年に2回です。下記が2024年の試験日となります。

【日本語能力試験の2024年の試験日】

  • 2024年7月7日(日) 
  • 2024年12月1日(日)

引用:日本語能力試験「試験科目と問題の構成

海外での受験の際は、7月と12月のどちらか1度だけ実施する都市もあるので注意が必要です。また、申し込み期限は試験日のおよそ3か月前になるため、十分な学習時間を確保できるか考えて申し込むようにしましょう

日本語能力試験は日本人も受けられる?

日本国籍を持っていても、母語が日本語でなければ受験可能です。

例えば海外で生まれ育ち、その生活環境から自然習得した最初の言語が日本語ではなかった場合、日本人であっても日本語能力試験を受けることができます。

反対に在日外国人で母国語が日本語の人は、日本以外の国籍であっても受験はできません。

日本語能力試験のN5レベルの過去問はある?

日本語能力試験の過去問は、それぞれのレベル別で販売されています。

また、公式HPに無料の問題例もあるのでぜひチェックしてみてください。現在の自分がどのレベルに近いのかを知るためにも、まずは問題例を解いてみることをおすすめします。

試験に向けて繰り返し練習をして、問題形式に慣れておきましょう。

日本語能力試験のN5レベルを取得するにはどのくらい勉強するべき?

日本語能力試験のN5レベルを取得するためには、約100〜150時間の学習時間が必要と言われています。これは基礎的な文法・語彙・読解・聴解のスキルを習得する目安としての時間です。

具体的には、約100字の漢字と約800語の語彙を覚える必要があります。参考として、日本人の小学1年生が学ぶ漢字数は80字・語彙数は数千語です。日常生活で頻繁に使われる基本的なものが中心に出題されます。

まとめ:N5レベルを取得して日本語能力アップの一歩を踏み出そう!

今回の記事では、日本語能力試験のN5レベルの受験を検討中の方に向けて、試験内容や合格に向けて必要なレベルなどの幅広い情報をまとめました。

N5は日本語能力試験の中では一番下のレベルにあたり、日本語の基礎となる部分の内容となるので、しっかりと理解しておくことが今後のレベルアップにも繋がります。

勉強し始めてまだ間もない人にとっては、日本語の文法や構文は複雑で理解するのに時間がかかるかもしれませんが、今回紹介した問題例などを活用して学習に努めてください。

日本語能力試験の認定はレベルが上がるごとにメリットも増します。まずはN5に挑戦してみましょう。



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