【BJTビジネス日本語能力テストとは?】試験の内容やレベルの目安を徹底解説
日本で就職を考えている外国人であれば、ある程度の日本語力が求められるのは当たり前のことでしょう。日本は、他の国以上に敬語を重要視されたりビジネス独特の言い回しがあったりと、仕事で使う日本語と日常会話に大きな違いがあります。
「日本企業で活躍したい」「人気の会社へ就職したい」などの思いを持っている外国人におすすめしたいのが「BJTビジネス日本語能力テスト」です。
この記事では、BJTビジネス日本語能力テストの試験内容や難易度などの合格に必要な情報を紹介します。日本企業で就職を考えている方には特に有益な情報なのでぜひ最後までご覧ください。
この記事を読む方で、外国人へ日本語を教えることについて下記のようなお悩みを持っている方はいませんか?
- 「正しい日本語を聞く機会が少ない」
- 「母語で意味を確かめながら勉強したい」
- 「働きながら日本語教室に行く時間が中々取れない…」
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もくじ
BJTビジネス日本語能力テストとは
BJTはBusiness Japanese Proficiency Testの略で、仕事をする際に必要な日本語のコミュニケーション能力を測るテストのことです。
1996年に日本貿易振興機構が実施を始めたテストで、2009年からは日本漢字能力検定協会が事業を継承しました。日本以外に海外では18か国で受験が可能です。
日常生活では日本語が堪能でも、ビジネスでも同様かというと必ずしもそうとは限りません。企業側はBJTビジネス日本語能力テストのスコアから就職希望者が日本語を使ってどのレベルの仕事をできるかどうかの判断ができます。日本企業で仕事をしたい外国人にとっては有利な資格であると言えるでしょう。
BJTビジネス日本語能力テストと日本語能力試験(JLPT)の違い
日本語能力を測るテストに日本語能力試験(JLPT)があります。日本語能力試験は日本語の検定試験の中では最も人気のある試験です。
BJTビジネス日本語能力テストはビジネスの場面で使える日本語を想定していますが、日本語能力試験は日常生活を主な活用場所としています。下記の表で2つの試験の違いを見ていきましょう。
日本語能力試験(JLPT) | BJTビジネス日本語能力テスト | |
認定方法 | 合否(N1〜N5) | スコア(合否なし) |
対象場面 | 日常生活 | ビジネスの場面 |
試験内容 |
|
|
日本語能力試験はN1からN5の5段階のレベルがあり、必ず合否が出るテストです。一方でBJTビジネス日本語能力テストは、0~800点のスコアと点数に応じたJ5~J1+の6段階のレベルで評価されます。
日常会話に加えてビジネスの慣習などの知識もプラスされたテストなので、日本企業に就職を目指している外国人にはより適していると言えるでしょう。
BJTビジネス日本語能力テストの3つのメリット
では、BJTビジネス日本語能力テストにはどのようなメリットがあるのでしょうか。下記で3つ具体的に紹介します。
【BJTビジネス日本語能力テストのメリット】
- 法務省入国管理局から証明基準として認められている
- 一度の受験で評価を得られる
- 日本での就職において有利になる
①法務省入国管理局から証明基準として認められている
BJTビジネス日本語能力テストの大きなメリットが、法務省入国管理局から証明基準として取り扱われていることです。具体的には下記のような利点があります。
- 「在留資格認定証明書交付申請」における日本語能力の証明としてBJTスコアを明記できる
- 留学生の就職支援に係る『特定活動』の要件(本邦大学卒業者)に認定されている
- 「高度人材ポイント制」において、BJTスコア480点以上で15ポイント、400点以上で10ポイントが付与される
ビザや就職に関してなど、社会的メリットの大きい資格であると言えるでしょう。
②一度の受験で評価を得られる
BJTビジネス日本語能力テストは合否のあるテストではないので、1回受験すると必ず一定の評価を得ることが可能です。具体的には0~800点のスコアと、点数に応じたJ1+~J5の6段階のレベルで日本語能力を判断されます。
不合格になると再受験をしなければいけない試験と違うのも受験者には嬉しいポイントです。
③日本での就職において有利になる
BJTビジネス日本語能力テストを受験しておくことで、企業側に自分の日本語レベルを分かりやすく示すことが可能です。外国人を採用する企業が増えている昨今では、BJTビジネス日本語能力テストの結果を参考にする会社も少なくありません。
日本で就職を考えているのであれば、現状のスキルの確認のためにも受験してみることをおすすめします。実力がはっきりすれば、企業とのミスマッチを避けることにつながるでしょう。
BJTビジネス日本語能力テストの試験内容
テストに向けた対策のためにも、試験内容は受験者の気になるポイントでしょう。
試験項目は大きく下記の3つに分かれています。それぞれの詳細を説明するので参考にして学習を進めてください。
【BJTビジネス日本語能力テストの試験内容】
- 聴解(聞き取り)
- 聴読解(聞き取り・読み取り)
- 読解(読み取り)
①聴解(聞き取り)
第1章は、聴解(聞き取り)問題で試験時間は45分です。その中で場面把握問題・発言読解問題・総合聴解問題の3つの項目があります。
項目 | 詳細 |
場面把握問題 | 写真を見て、現在何が行われているのかを把握し、それを説明している文章を選択肢から選ぶ |
発言読解問題 | 音声を聞きながら写真を見て、質問に対する適した回答を選ぶ |
総合聴解問題 | イラストを見ながら音声を聞いて質問に答える |
写真やイラスト・会話内容を理解できるか確認される問題です。
②聴読解(聞き取り・読み取り)
第2章は、聴読解(聞き取り・読み取り)問題で試験時間は30分間です。具体的には状況把握問題・資料聴解問題・総合紹介問題の3つのセクションがあります。
項目 | 詳細 |
状況把握問題 | 場面を表す写真と話し合いの音声が流され、その後に流れる質問にふさわしい回答となる文を選択する |
資料聴解問題 | グラフや表を見て質問に答える |
総合紹介問題 | 文書を見ながら会話を聞き、質問に答える |
写真・表を見ながら音声を聞いて会話を理解する力や、グラフを短時間で理解する力も求められます。
③読解(読み取り)
第3章は、読解(読み取り)問題で試験時間は30分間です。語彙・文法問題、表現読解、総合読解問題の3つのセクションで構成されています。
項目 | 詳細 |
語彙・文法問題 | 空欄に入る適切な文・単語を選択肢の中から選ぶ |
表現読解 | 空欄に入る適切な文・単語を選択肢の中から選ぶ |
総合読解問題 |
|
初歩的な文法問題から読解問題まで幅広い知識を求められます。
BJTビジネス日本語能力テストのレベルの目安
BJTビジネス日本語能力テストは、0~800点でJ1+・J1・J2・J3・J4・J5の6段階で評価されます。J1+が最も日本語運用能力が高く、J5に近づくほどビジネスで使える日本語レベルは低いです。
ここでは、各レベルにおいてどの程度の力が求められるのか目安を紹介します。
【BJTビジネス日本語能力テストのレベル】
- 【600〜800点】J1+レベル
- 【530〜599点】J1レベル
- 【420〜529点】J2レベル
- 【320〜419点】J3レベル
- 【200〜319点】J4レベル
- 【0〜199点】J5レベル
【600〜800点】J1+レベル
6段階の中でレベルが最も高いのがJ1+です。「どのようなビジネスシーンにおいても日本語による十分なコミュニケーションを取れる」と判断され、日本のビジネスの慣習もしっかり把握しており、会話だけでなく書かれた文章を理解するスキルも十分備わっています。
会議・商談・電話・対面と、場面に応じて柔軟に対応することも可能なほど知識も豊富で、日本のビジネス社会で能力を発揮した仕事ができるでしょう。
【530〜599点】J1レベル
上から2番目に位置するJ1レベルは、「幅広いビジネスシーンで日本語による適切なコミュニケーション能力がある」とみなされます。J1+には劣りますが、十分な知識が備わっており、ほぼ問題なくコミュニケーションを取ることが可能です。
社内文書・ビジネス文書も正確に理解できる能力があるので、会議や商談などの大切な場面でもおおむね理解できます。
【420〜529点】J2レベル
J2レベルでは、「限定的なビジネスシーンでのみ日本語による適切なコミュニケーション能力がある」とみなされます。会議・商談・電話などの日常においてはある程度の理解ができ、人間関係に応じた言葉の使い分けも多少はすることが可能です。
日本のビジネスの習慣にもある程度の理解がありますが、全般的に欠けている部分もあるため、意思疎通にトラブルが生じないように注意は必要になるでしょう。
【320〜419点】J3レベル
J3レベルでは、「限定的なビジネスシーンでのみ日本語によるある程度のコミュニケーション能力がある」と判断されます。日本のビジネス慣習も多少は把握しており、日常的なビジネス会話・社内文書などの基本的なものはおおよそ理解が可能です。
相手によって言語の使い分けも多少はできますが、J1やJ2と比べると未熟な点が目立ちます。
【200〜319点】J4レベル
J4は下から2番目のレベルで、「限定的なビジネスシーンでのみ日本語による最低限のコミュニケーション能カがある」と評価されます。
ビジネスにおける日本語の知識が少ないため、仕事においてはふさわしくない言語表現をしてしまうなど、意思疎通できないことが多い状態です。
部分的には理解できることもありますが、円滑に仕事を進めるにはまだ努力が必要でしょう。
【0〜199点】J5レベル
J5は6段階の中で一番下のレベルで、「日本でのビジネスに特化したコミュニケーション能力はないに等しい」と認識されます。日本語自体の知識・能力がまだ不十分で、仕事で使えるレベルには達していません。
ビジネスの慣習に対する理解も乏しいため、話についていけないことも多いでしょう。まずは日本独特のビジネスの在り方など、幅広い知識を身につけることが必要です。
BJTビジネス日本語能力テストの申し込みから結果通知までの流れ
ここからは、BJTビジネス日本語能力テストの申し込みから結果通知までの一連の流れを説明します。他の資格試験とは異なる点も多いので、試験当日に慌てないためにも流れを頭に入れておきましょう。
【BJTビジネス日本語能力テストの申し込みから結果通知までの流れ】
- 新規ユーザー登録をする
- 試験日時を予約する
- 受験当日
- 結果の通知
1.新規ユーザー登録をする
まずは、試験の予約をするためにピアソンVUE オンライン予約ページで新規ユーザー登録をしなければいけません。
本人確認書類の準備をし、名前や住所などの個人情報の入力が必要です。この時に使用した本人確認書類は、受験当日にも必要となります。
2.試験日時を予約する
ユーザー登録が完了後、試験を希望するテストセンターと受験日・試験開始時刻を選びます。日本国内では34都市でほぼ毎日実施されているので、自分の都合に合わせて選ぶことが可能です。
受験料の支払いを銀行振り込みで行う場合には、カスタマーサービス(0120-355-173)にて電話で申し込む必要があります。
3.受験当日
受験当日は、申し込みの際に使用した本人確認書類を2つ持参する必要があります。当日の流れは下記のとおりです。
【試験当日の流れ】
- 1.本人確認書類の提示
- 2.写真撮影
- 3.荷物を預ける
- 4.入室
- 5.受験開始
試験会場に到着すると、大まかに上記の流れで受験がスタートします。開始時刻に余裕を持って現地へ到着するようにしましょう。
4.結果の通知
受験した後は、すぐにテストセンターでスコアレポートを受け取ることができます。受験から3日後に成績認定書が発行され、オンラインにて印刷が可能です。
成績認定書には顔写真・スコア・レベル・部門別ランクが表示されているので、就職試験やビザの期限が迫っている人はこちらを利用してください。
BJTビジネス日本語能力テストに関するよくある質問
最後に、BJTビジネス日本語能力テストに関するよくある質問に回答します。受験を検討しているのであれば必要な情報なので、ぜひ参考にしてください。
【BJTビジネス日本語能力テストに関するよくある質問】
-
BJTビジネス日本語能力テストは日本人も受験できる?
-
BJTビジネス日本語能力テストの過去問はある?
-
BJTビジネス日本語能力テストの試験日はいつ?
BJTビジネス日本語能力テストは日本人も受験できる?
BJTビジネス日本語能力テストは、日本語を母語としない人を対象にした試験です。学歴・年齢・性別・国籍・職歴による制限はありませんが、幼い時に自然に習得した言語が日本語の方は受験ができません。
日本語が母語でない方なら日本国籍でも受験できます。
BJTビジネス日本語能力テストの過去問はある?
BJTビジネス日本語能力テストの過去問題集の冊子が販売されています。繰り返し学習してテスト形式に慣れるのは大切なので、上手に活用してレベルアップを目指しましょう。
また、公式サイトにはサンプルの問題が用意されているため、自分の現在のレベルを把握するためにも挑戦してみてください。
BJTビジネス日本語能力テストの試験日はいつ?
BJTビジネス日本語能力テストの試験は、ほぼ毎日開催されています。自分の都合に合わせて試験日・試験会場を選ぶことができるので挑戦しやすいテストです。
何度も受験できますが、一度試験を受けると次の受験まで3か月開けなければなりません。いつでも試験を受けれるからと後回しにせず、目標を決めてスケジュールを立てましょう。
まとめ:BJTビジネス日本語能力テストを受験してレベルアップをはかろう!
今回の記事では、BJTビジネス日本語能力テストの試験概要や各レベルの目安などを細かく説明しました。
BJTビジネス日本語能力テストでは、日本語能力によって細かくレベル分けされるので、外国人を採用する企業にとっては人材探しに役立ち、受験者にとっては自身の力を裏付けることができます。
単に会話ができれば良いというテストではなく、日本社会での一般常識も求められるテストのため、難易度は高いと言えるでしょう。
BJTビジネス日本語能力テストを受験して結果を残すことで将来の選択肢も広がります。高得点を取って、ぜひ進学や就職活動に役立ててください。
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