算数障がい(ディスカリキュリア)とは? |サインの気づき方から子どもが楽しく学ぶためのサポート術

「子どもが簡単な計算や時計の読み方を極端に苦手としている」
「発達障がいと関係があるの?」
算数障がいは子どもの努力不足ではなく、脳の働きによる特性です。
本記事では、幼児期や小学生に見られるサインへの気づき方から、視覚的ツールやICT教材の活用に注目し、家庭でできる具体的なサポート術ま学習障害(LD)の一つである算数障がい(ディスカリキュリア)の定義や、ADHDなど他の発達障がいとの関係性を分かりやすく解説します。
ぜひ、子どもが自信を持って楽しく学ぶためのヒントを一緒に見つけてみませんか。
算数障がい(ディスカリキュリア)とは?発達障がいとの関係性

子どもが算数に対して極端な苦手意識を持っている場合、それは単なる勉強不足ではなく「算数障がい(ディスカリキュリア)」という発達障がいの一つである可能性があります。ここでは、算数障がいの基本的な定義や、他の発達障がいとの関係性、そしてその原因について詳しく解説します。
学習障害(LD)のひとつである算数障がいの定義
算数障がい(ディスカリキュリア)は、発達障がいの一種である「学習障害(LD:Learning Disabilities)」、現在の医学的診断基準では「限局性学習症(SLD)」に分類される症状の一つです。全般的な知的能力の遅れや視覚・聴覚の異常がないにもかかわらず、数の概念の理解や計算、算数的な推論を行うことに著しい困難を示す状態を指します。
学習障害には、主に「読む」「書く」「計算する」の分野での困難がありますが、そのなかでも「計算する」「推論する」ことに特化した困難が現れるのが算数障がいの特徴です。文部科学省の学習障害の定義においても、基本的には全般的な知的発達に遅れはないものの、特定の能力の習得と使用に著しい困難を示すものとされています。そのため、国語などの他の教科では問題なく学習できているのに、算数だけが極端にできないというケースも少なくありません。
算数障がいと他の発達障がい(ADHDや自閉スペクトラム症)の併発について
算数障がいは単独で現れることもありますが、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)といった他の発達障がいと併発しやすいことが知られています。複数の特性が重なることで、算数の学習においてさらに複雑なつまずきが生じることがあります。
例えば、ADHDを併発している子どもの場合、不注意の特性によって計算の過程で「+」や「-」の記号を見落としたり、繰り上がりや繰り下がりの数字を書き忘れたりするミスが頻発しやすくなります。一方で、ASDを併発している場合は、言葉の裏にある意図や文脈を読み取るのが苦手な特性から、算数の文章題において「何を問われているのか」を理解するのに苦労する傾向があります。このように、算数の苦手さがディスカリキュリア単独によるものなのか、他の発達障がいの特性が影響しているのかを見極めることが、子どもへの適切なサポートにつながります。
ディスカリキュリアの原因と脳の働き
子どもが算数障がいを抱えていると、「親の教え方が悪いのではないか」「本人の努力が足りないのではないか」と悩む保護者の方も多いですが、算数障がいの原因は育て方や本人の努力不足ではなく、先天的な脳の機能の偏りにあるとされています。
研究によれば、数の処理や空間認識を司る脳の領域(頭頂葉など)の働きが、定型発達の子どもとは異なっていることが指摘されています。また、情報を一時的に記憶して同時に処理する「ワーキングメモリ(作業記憶)」の働きが弱いことも、暗算や複数のステップを要する計算手順を覚えることを困難にしている要因の一つです。脳の機能的な特性が原因であることを周囲が正しく理解し、子ども自身を責めずに、その子の認知特性に合った学び方を見つけることが非常に重要です。
子どもの算数障がい(ディスカリキュリア)に気づくためのサイン

算数障がい(ディスカリキュリア)は、本格的な学習が始まる小学生頃になってから気づかれることが多い学習障害(LD)です。しかし、幼児期から日常生活のなかで数の概念に関する特徴的なサインが見られることもあります。ここでは、子どもの成長段階や場面ごとに見られる具体的なサインや特徴について詳しく解説します。
幼児期に見られる数の概念のつまずき
幼児期には、数字そのものの意味や、数の大小といった基本的な概念の理解に困難を示すサインが現れることがあります。たとえば、数を数えるときに常に指を使わないと数えられない、数字の順番(序数性)と量の大きさ(基数性)の区別がつきにくいといった特徴が見られます。
また、おやつを分ける際にどちらが多いかといった「数の大小」を瞬時に判断できないことも、ディスカリキュリアの兆候の一つです。これらのつまずきは単なる発達の個人差と捉えられがちですが、LITALICOライフなどでも指摘されているように、就学前の段階で数の理解に困難があることで、学習障害の兆候に気づかれるケースもあります。
小学生で目立つ計算や図形問題の苦手さ
小学校に入学し、算数の授業が始まると、計算や推論における困難さがより顕著になります。具体的なサインとしては、簡単な足し算や引き算の暗算ができず、繰り上がりや繰り下がりの計算でつまずくことが挙げられます。また、小学2年生で習う九九をなかなか覚えられなかったり、暗記できても実際の計算に活用できなかったりすることも特徴です。
さらに、計算問題だけでなく、文章問題や図形問題にも苦手意識を持ちます。文章問題では、問題文が読めても「何を問われているのか」を推論して自分で計算式を立てることが困難です。図形や空間認識の弱さから、立体や図形の特徴を理解できないことも、算数障がいを抱える子どもによく見られるサインです。
時計の読み方やお金の計算での困難
算数障がい(ディスカリキュリア)の影響は、学校の算数の授業だけでなく、日常生活にも現れます。代表的なサインが、時計の針を読んで時間を理解することや、時間の経過を感覚的に掴むことの難しさです。たとえば、「あと10分で出発する」といった時間の管理や測定が苦手な傾向があります。
また、買い物をする際のお金の計算にも困難が生じます。小銭を組み合わせてちょうどの金額を出したり、お釣りがいくらになるかを暗算したりすることが難しく、レジで戸惑ってしまうことがあります。
対人コミュニケーションや国語などの他教科には問題がないのに、こうした数量を中心とした処理だけが極端に苦手な場合は、算数障がいの可能性を考慮して適切な支援につなげることが大切です。
算数障がいの子どもが楽しく学ぶためのサポート術

算数障がい(ディスカリキュリア)を抱える子どもが学習に向き合うためには、無理に計算ドリルを繰り返すのではなく、子どもの特性に合わせたサポートを取り入れることが重要です。ここでは、家庭で実践できる具体的な支援方法や、ICT教材を活用した学習の工夫について解説します。
家庭でできるディスカリキュリアへの学習支援
家庭でのサポートは、子どもが「算数は嫌なもの」という苦手意識を持たないようにすることが第一歩です。抽象的な数字を扱うのが苦手なディスカリキュリアの子どもには、実際に見て触れることができる具体物を使った学習が非常に効果的です。
■視覚的なツールを使った数の理解
数字の概念や計算の仕組みを理解するためには、視覚的にわかりやすいツールを活用しましょう。例えば、おはじきやブロック、数え棒などを使って、数字という抽象的な概念を、目で見て手で触れる「量」として認識させる工夫が大切です。また、位取り(一の位、十の位など)が理解しにくい場合は、色分けされたマス目のノートを使用したり、位ごとに異なる色のブロックを使ったりすることで、視覚的な手がかりを増やすことができます。
■日常生活のなかで楽しく算数に触れる工夫
机に向かって勉強するだけでなく、日常生活のなかで自然に算数に触れる機会を作ることも有効です。例えば、一緒にお菓子を分けるときに「全部で何個あるかな?」「2人で分けると何個ずつになる?」と声をかけたり、お風呂で10まで数えたりすることで、遊びや生活の一部として数の概念を身につけることができます。また、スーパーでの買い物で「100円で買えるお菓子を選んでみよう」と提案するなど、お金の計算を実践的に学ぶことも、算数への興味を引き出す良いきっかけになります。
ICT教材の活用
近年、発達障がいや学習障害(LD)のある子どもの学習支援において、パソコンやタブレットを使ったICT教材の活用が注目されています。ICT教材は、音声やアニメーションを用いた視覚的・聴覚的なアプローチが可能であり、紙と鉛筆の学習に困難を感じる子どもでも、ゲーム感覚で楽しく取り組めるという大きなメリットがあります。
■ICT教材「すらら」で自分に合う学習を
ICT教材「すらら」は無学年式オンライン教材で、発達障がいや学習障がいを抱えるお子さまのご利用が年々増加しています。
「すらら」は、子どもの理解度に合わせて学習内容を学年をまたいで苦手な単元までさかのぼることができるので、学年に縛られず、つまずいた単元までさかのぼって自分のペースで学習を進めることができます。また、キャラクターが対話形式で丁寧に解説してくれるため、文字を読むのが苦手な子どもでも内容を理解しやすく、スモールステップで「できた!」という成功体験を積み重ねることができます。さらに、次のような点が発達障がいや学習障がいのお子さまにおすすめです。
■計算でパニックになる、という場合の対応は?
足し算、引き算、さらにはそれに繰り上がり、繰り下がりが出てくると、数の理解ができていないお子さまは混乱してしまい、答えを暗記するだけになってしまいます。
数の仕組みを知って、数の「操作」が少しずつできるようにトレーニングしていく必要があります。
■聞きっぱなしの動画にならない工夫
「読み解く」だけの紙教材と違って「見て」、「聞いて」学べるのが大きな特徴。キャラクターが声優さんの聞き取りやすい声で、アニメーションを使ったわかりやすい講義を行います。根本的・概念的な深い理解が得られるようにスモールステップとインタラクティブな授業で、学校の進度に関わらずゼロから内容を理解することができます。
■学習に集中できる環境が作り
すららの講義は、お子さまが学習に集中できる環境作りに最適。ヘッドホンで音声を聞くことで、講義以外の音や声をシャットアウトし、質問に答えながら進むインタラクティブな動画でお子さまを飽きさせません。また、倍速機能がついているので、お子さまのペースに合わせた環境設定が可能です。
家庭でのサポートに限界を感じた場合は、こうした専門的なノウハウを持つICT教材を積極的に取り入れてみてください。
まとめ
算数障がい(ディスカリキュリア)は学習障害(LD)の一つであり、ADHDなどの発達障がいと併発することもあります。幼児期の数の概念のつまずきや、小学生での計算・時計の読み方の困難といったサインに早く気づくことが重要です。
脳の働きによる特性が原因であるため、単なる努力不足ではありません。子どもが自信を持って楽しく学ぶためには、家庭でのおはじきや図などの視覚的なツールの活用や、日常生活での工夫が効果的です。
個々の特性に合わせた学習ができるICT教材などを活用し、ぜひ無理のないサポートを続けてみてください。
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