【自立学習と自律学習の違いとは?】自立と自律の意味やそれぞれの3つのメリットをご紹介
「すらら」へお問い合わせを頂戴した保護者さまから「子どもが自分から勉強しようとしない。どのように声掛けをすれば自分から勉強するようになるか。」というご相談が寄せられました。
自分で勉強しようとすることを、「自立学習」または「自律学習」といいます。
自立学習と自律学習は似た言葉ですが、その内容には明確な違いがあります。2つの学習について、どのような違いがあるか気になる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では自立学習と自律学習の違いについてに注目し、それぞれのメリットについて解説します。2つの学習で得られる効果や具体的な違いを知りたい保護者の方の参考になりましたら幸いです。
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自立と自律の意味の違いは「あり方」と「行動」を指す
自立と自律は、それぞれ「あり方」と「行動」を示す言葉となっています。自立=あり方、自律=行動と考えておけば問題ないでしょう。
しかし、それぞれの意味をしっかりと把握しておかなければ、具体的な違いを知るのは難しいです。
【自立と自律の違いについて】
- 自立の意味とは
- 自律の意味とは
ここからは自立と自律の意味について、詳しくみていきましょう。
自立とは
自立の意味は、辞書によると下記のように定義されています。
他の援助や支配を受けず、自分の力で判断したり身を立てたりすること。ひとりだち。
引用:広辞苑無料検索
似たような言葉には「独立」や「自活」などがあり、独り立ちしている様子を示す言葉といえます。人間の生活においては、自分の力である程度やりくりができるようになった状態を指します。
他からの支援を受けずに生活すること=自立との考えもありますが、人間が生きていくうえでそれは不可能です。家を建てたり、水道や電気を供給したりは個人でできません。なお、自立を英語で表現すると「independence」となります。
自律とは
自律の意味については、辞書にて以下のように定義されていました。
自分の行為を主体的に規制すること。外部からの支配や制御から脱して、自身の立てた規範に従って行動すること。
引用:広辞苑無料検索
自律を簡単にいうと、他のルールに縛られずに自分の決め事で行動することを指します。あくまでも行動のことを指し、結果については大きく関係ないニュアンスです。
たとえば、勉強の進め方や掃除の仕方など、やり方を自分で決めている時点で「自律」となります。自律した行動の結果、良い成果が出るなら、それは結果として「自立」した状態となるのです。なお、自律を英語で表現する場合は、「autonomy」となります。
自立学習(自己調整学習)と自律学習(自律的学習)の違い
ここまで自立と自律の言葉の違いはあり方と行動を表す違いであることがわかりました。自立学習と自律学習の場合では意味や方法が異なります。2つの違いを理解できていないと、求める学習成果を得られにくくなるかもしれません。
- 自立学習とは
- 自律学習とは
2つの違いを理解して、場面や目的に応じた学習方法を取り入れていきましょう。
自立学習(自己調整学習)とは
自立学習は主に、「自分で主体的に学ぶ力」のことです。学習面においては、主に以下の内容が該当します。
【自立学習の具体例】
- 誰に言われるでもなく自ら勉強に向かう
- 目標から逆算して学習スケジュールを立てられる
上記の行動がとれているなら、十分に自立学習ができていると考えて問題ありません。逆にいうと、勉強に向かわせるために何度も声をかけたり、誰かがスケジュールを立てたりしなければならないなら、何かしらの支援・サポートが必要なる可能性があります。
自律学習(自律的学習)とは
自律学習は、自分で自分をコントロールできる学習方法を指します。自分のペースで勉強を進めたり、目標を決めたりするのが具体例として挙げられます。
【自律学習の具体例】
- 自分で決めたルールに則って学習を進められる
- やると決めたことは最後までしっかりと取り組む
自律学習は、決して結果を求めるものではありません。そこに至るまでの過程や行動を重要視するものだからです。
結果が100%伴っていなくても、決めたことに取り組む姿勢が見られれば、自律学習を十分に実施できていると考えて問題ないでしょう。なお、自律学習という単語は、勉強以外に委員会や部活、自宅でのお手伝いなどに対する姿勢にも用いられます。
メリットは複数!自立学習をする3つの利点
自立学習は主に、自分一人で学習を進められる・自分で主体的に学ぶ力のことを指します。ここでは自立学習によって得られる3つのメリットとして、以下を見ていきましょう。
【自立学習の3つの利点】
- 学習スケジュールを組めるようになる
- 学習の習慣が身に付く
- 学習以外にも役立てられる
なお、自立学習だけで得られないことが自律学習で身に付くことは多くあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
学習スケジュールを組めるようになる
自分で学習スケジュールを組めるようになるのは、自立学習を身に付けるからこそのメリットです。たとえば、目標に対して現状どのくらいの差があるのか、その目標との差を埋めるためにはどのような学習が必要なのかを理解するなどがあげられます。
自分の足りない部分を理解できれば、何をすればよいかも明確になる可能性があります。テスト学習なら、現状のテストの点数を把握したり、苦手な教科や得意な教科を分析したりすることなどがあります。
学習スケジュールを組めると、目標に対して今の自分がアプローチできる方法を自身で編み出すようになるという効果が期待できます。自分で学習スケジュールを組んで勉強を進め、親や先生の力を借りずとも進んで学習を進める自主性が生まれる可能性があるのです。
学習の習慣が身に付く
学習の習慣が身に付くのも、自立学習を身に付けるメリットとなります。自立学習は自分で学習スケジュールや勉強のペースを決めるため、学習の目的や意義を見失いづらいです。
なぜ勉強しているのか・今やっていることが将来何の役に立つかなどが見据えられれば、勉強にも自然に向かえるようになるかもしれません。結果的に学習習慣が身に付き、決められた時間や休日などにも学習が手につくようになるのです。
学習以外にも役立てられる
自立学習は学習面でしか活かせないと考えられがちですが、決してそのようなことはありません。自立学習を身につけておけば、日々の部活や社会に出たときなど子どもだけでなく大人になったときでも有効活用できます。
【自立学習が活用できる場面例】
- ビジネスにおける場面
- スポーツにおける場面
- 絵画や音楽などの芸術における場面
ビジネスにおいては今までなかった仕事の進め方が提案でき、仕事の効率化や業績アップにつながるかもしれません。スポーツにおいては、自分やチームに合ったトレーニング方法や戦略を考案でき、成績の向上も期待できます。
自立学習は社会を勝ち抜くためにも、身につけておいて損のないスキルといえます。
似ている部分あり!自律学習をする3つの利点
自律学習については、自立学習と似ている部分があります。しかし、詳しくみていくことで、自律学習ならではの3つの利点がわかりました。
【自律学習の3つの利点】
- やるべき学習に責任感を持てる
- 勉強に対するルールに則れる
- +アルファの学習
自律学習ならではのメリットを知れば、どのような場面で活かされているかも把握できます。それぞれのメリットについて、詳しくみていきましょう。
やるべき学習に責任感を持てる
自律学習が身に付いている場合、自分でやるべき学習や行動に責任感を持てます。責任感を持っていれば、学習に対してより真摯に取り組める可能性があります。
自発的に行動を起こす人は、何事も自責での考えを持ちます。そのため、何か問題やトラブルが起きたとしても、自分で解決できるような行動をとることが多くあります。
逆に、言われたことをこなすような受動的な考えの場合、責任の所在があいまいになってしまいます。やるべきことを理解したうえでしっかりと行動に移せるのは、自律学習のメリットの一つです。
勉強に対するルールに則れる
自律学習が身に付いていると、自分で決めた勉強のルールに則って学習を進められます。「今日は○○をどこまでやる」「学校から帰ってきてから1時間は勉強をする」などのルールの設けたうえで学習できるのは、自律学習ならではの強みといえるでしょう。
さらに、自分の設けたルールに則って勉強できる習慣が身に付いていれば、社会に出た後の資格勉強や研鑽の時間も有意義に過ごせます。
社会人・大人として活躍するために重要な時間管理・スケジュール管理の能力が身に付くのも、メリットといえるかもしれません。
+アルファの学習を進める
自律学習が身に付いていれば、+アルファの学習を自ら進めるようになります。勉強や部活、仕事などでやるべきことが済んでも、目標との乖離や周りとの競争で実際はまだ足りていない・もう少しやらなければならない場面も少なくありません。
自律的な精神があれば、自分に何が足りないのか、何をすべきかが判断できるため、理想とする自分に追いつきやすくなるでしょう。また、与えられた機会の中で、できる範囲で積極的に行動を起こす傾向も見られます。
受験のタイミングであれば、受験科目に対する勉強量を自身で調整したり、部活であれば、活動時間いっぱいまでみっちり練習したりするなどが挙げられます。自分の役割を認識したうえでスピード感のある対応が取れるのは、自律学習のメリットです。
就職予定の中学生や高校生必見!自律学習の習慣づけは社会人に必要
現在日本の企業では、社会の変化に合わせてどのような状況においても柔軟に対応できる人材を求めています。自分自身で考えて主体性を持ちながら業務に当たれるのが自律型人材です。様々な変化に対応できず、受動的に仕事をこなしてばかりいると企業の在り方にマッチしないとみなされてしまうこともあります。
自律型人材は、下記のような特徴が挙げられます。主となる3つのポイントについてみていきましょう。
【自律型人材の主な特徴】
- 上司の指示を待つのではなく自ら行動を起こす
- 責任感を持って業務に取り組む
- 個性を仕事に活かす
受け身の姿勢ではなく、自分から行動を起こすことが求められる時代となりました。単純に言われたことだけをやるのではなく、自分の頭で考えて行動することが大切です。また、業務に対して責任感を持ち、真摯に取り組む姿勢が求められています。
さらに、自分自身の個性を仕事に活かすことで、経営側も業務を振りやすくなるといったメリットがあります。会社の資源である人材を無駄なく使用するためにも、こうした3つのポイントは非常に重要です。
就職予定の学生は、こうした自律型人材となれるよう様々なことを勉強し、会社に貢献できる人材であると認めてもらう事を考えておくことがおすすめです。
自立学習と自律学習の違いに関するよくあるQ&A
自立学習と自律学習の違いに関して、以下の質問・疑問があげられていました。
【自立学習と自律学習の違いに関するよくあるQ&A】
- 自立と自律のそれぞれの反対語は?
- 日本の教育は自立と自律のどっち?
あらかじめ疑問を解消しておけば、実際の学習に取り入れる際も役立ちます。それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。
自立と自律のそれぞれの反対語は?
自立と自律のそれぞれ反対語は、以下のようになっています。
自立の反対語:依存
自律の反対語:他律
依存は「ほかに頼ってしまうこと」を主に指す言葉です。学習面においては、誰かが決めたスケジュールや勉強内容に頼りっきりになってしまう状態を指します。
他律は「自分の意志とは関係なく、他人の指示や命令に沿って行動すること」です。親や教師に勉強を促されるのが代表的な例として挙げられるでしょう。自立学習および自律学習を促すなら、上記の反対語についても念のため把握しておきましょう。
日本の教育は自立と自律のどっち?
日本の教育については、どちらかといえば「自立」の傾向にあるといえます。というのも、長期休暇で学習スケジュールを立てたり学習を習慣づけたりするのは見られるものの、出された課題以上の提出はあまり求められないためです。
もちろん一概には言えませんが、総合的に見れば自立学習を促す場面の方が目立っているといえるでしょう。ただし、学校によっては自律学習を重視しているところも増えてきています。
さらに、捉え方によっても自立なのか、自律なのか変わるため、日本の教育が一概に全て自立学習に偏っているとは考えづらいのかもしれません。
まとめ
自立学習と自律学習については、それぞれの違いを把握することが重要です。2つの学習の主な違いとしては、以下のようなものがあげられます。
【自立学習と自律学習の主な違い】
- 自立学習:自ら主体的に学習を進める
- 自律学習:学習に対してどのような行動をとるかが重要
上記の違いを理解したうえで学習を進めれば、学習によってより高い効果が得られるでしょう。本記事で紹介した内容をもとに、ぜひ自立学習と自律学習の違いについて理解を深めてください。
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