【子どもを褒めて育てる】5つの褒め方とメリット・デメリットを徹底解説

「褒めて育てるメリットが分からない」「褒めるとデメリットはあるの?」と疑問を持たれたことはありませんか

褒める子育てを成功させるには、正しい方法とメリットやデメリットを知る必要があります。

この記事では、子どもの正しい褒め方5つと褒めるメリットやデメリットについて紹介します。



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基本的には褒める子育てが大切

子どもは褒められると能力が伸びやすくなります。なぜなら、褒める行為にはメリットがたくさんあるからです。

良い行動をした時に子どもを褒めれば、子どもはその行為を繰り返し習慣にします。子どもの力をうまく伸ばすためには、褒める子育てが大切です。

「しつけのためには、叱って育てることも必要」との考えも存在します。良くないことや、やってはいけないことを教えるのは確かに必要です。しかし、叱る育て方だけでは、親の気持ちが子どもに十分伝わらない可能性があります。

たとえば、厳しく叱られた子どもは反省しますが、親への恐怖心からしかたなく謝る姿がみられます。しつけのための叱責だけでなく、良い行動を見つけて褒める育て方が大切です。

褒めて育てるメリット4つ

褒める子育てには多くのメリットがあります。

【褒めて育てるメリット】

  • 自己肯定感が上がる
  • なんでもチャレンジできるようになる
  • 子どもも周りの人を褒めるようになる
  • 良好な親子関係が築ける

それぞれについて、詳しく説明します。

①自己肯定感が上がる

褒める育て方のメリットの一つに、自己肯定感のアップがあげられます。

自己肯定感は以下のように定義されています。

自分の可能性を信じ、自分はできるんだという自信をもち、肯定的に自己を認識すること【「こころの問題事典」平凡社2006】

引用:吉川 雅智「自己肯定感等に関する一考察 〜「折れない、しなやかな心」を巡って〜」

自己肯定感が上がり「自分はできる」と思える自信が、チャレンジ精神の源です。やる気もアップし、前向きな気持ちで過ごせます。

子どもの良い行動を褒めると、自己肯定感の向上が可能です。子どもの安心感や情緒の安定のためにも、子どもの良い部分を十分に褒めましょう。

②なんでもチャレンジできるようになる

親に褒められると、子どもはとても喜びます。頑張ったことを認められる経験は、大人でもうれしいものです。褒められると、心が元気になり、次のステップに挑戦する意欲が生まれます。

褒める子育てのメリットは、子どもが次々に挑戦できる好循環が生まれることです。挑戦して成功すると、褒められて自信がつき、新たな課題に向かっていけます。

たとえ失敗したとしても、普段から子どもの行動を褒めて育てていれば、逆境に負けない強さが生まれます。失敗を恐れずに挑戦できる子を育てるために、頑張っている姿に目を向けて積極的に褒めてあげましょう。

③子どもも周りの人を褒めるようになる

子どもを褒めて育てると、集団生活においても良い影響をもたらします。

子どもは親から教えられる部分も多い一方、集団の中で身に付けるスキルは無数にあります。特に、友達同士の関わりからの学びは数えきれません。

そんな中で、自分と友達の相違点をみつける作業は、子どもの成長に欠かせない重要な学びです。たとえば、足が速い友達に対し、自己肯定感が十分に育っている子どもは「すごい!かっこいい!」と肯定的にとらえます。

褒められて自信を持ち始めると、周囲に対してもプラスの言葉を自然にかけられるのです。コミュニケーションが上手になり、生きる力もアップします。

④良好な親子関係が築ける

褒める子育てを実践されている親御さまは、常に良い行動に目を向けています。褒める子育てのメリットの一つは、子どもの良い面を見つける習慣です。

頑張っていることを褒めれば、子どもはもう一度良い行動を繰り返します。良い行動が増えれば、親がしてほしくない不適切な行動は自然に減っていくのが一般的です。

良好な親子関係を保つためにも、子どもの良い面を褒めて育てる方法が理想的です。

褒めて育てるのがデメリットになる場合

褒める子育てにはデメリットも存在します。褒める行為が悪いのではなく、褒め方を間違えることが問題です。

結果だけに執着した褒め方や、ごほうびだけを用いた褒め方は、子どもの成長に悪影響をもたらします。このような褒め方を続けると、以下のようなデメリットがあらわれます。

【褒め方を間違えて育てるデメリット】

  • 打たれ弱くなる
  • 褒めないとモチベーションが上がらなくなる
  • 褒められることが目的になる

それぞれについて、詳しく説明します。

①打たれ弱くなる

子どもの行動の「結果」だけに注目して褒めると、子どもは打たれ弱くなります。良い結果が出た時だけ褒める行動は、親が子どもをコントロールしている状態です。

このようなケースでは、良い結果を出すために親が必死になって子どもに指示をします。子どもは自分で考えて行動しなくなるので、親はいつまでもコントロールしなければなりません。

常に親の監視下で行動するため、自分の力で何かを成し遂げる経験に乏しくなります。成長するにつれて、難題に立ち向かう意欲が低下し、失敗するとすぐに心が折れてしまうのです。

②褒めないとモチベーションが上がらなくなる

褒め方を間違えると、子どもは親からの良い評価やごほうびに喜びを感じ、そのためだけに行動します。褒めないとやる気が起こらず、新しいチャレンジをする勇気も出ない状態です。

たとえば「勉強をがんばったね。好きなものを買ってあげる」のような褒め方は好ましくありません。「褒められる」と「ごほうびがもらえる」がつながり、脳の中で快感として認識されます。

このような場合、子どもを褒めない限り、良い行動を起こさせるのは至難の業です。ごほうびや物だけで評価するのではなく「子どもを認める言葉」で褒めてあげましょう。

③褒められることが目的になる

褒める子育ての目的は、子どもの自己肯定感をアップさせ、自分の目標に向かいチャレンジする心を育てることです。

親が褒め方を間違えると、子どもは褒められる快感を目的にします。「褒めてもらったからこれ以上はしない」「褒めてもらえたらそれで満足」と感じ、向上心が低下しがちです。

子どもは成長するにつれて、親の元を離れ、自分自身で道を切り開いていかねばなりません。しかし、チャレンジ精神が弱まると、自分のことを決められなくなります。人間の成長に必要である「目標」を持てない大人になっていくのです。

子どもの正しい褒め方5つ

褒められている小学生男子

子どもを褒めて育てる方法にはコツがあります。ただやみくもに「すごいね」「えらいね」と褒めても、子どもは心を開きません。

心理学では「子どもを認める」姿勢を大切にした褒め方が、心の安定にメリットがあるといわれています。安心感や意欲の向上につながる褒め方が重要です。

子どもの正しい褒め方は以下の通りです。

【子どもの正しい褒め方】

  • 具体的に褒める
  • 行動や過程を褒める
  • 他人と比較せずに褒める
  • 褒める・叱るのメリハリをつける
  • 子どもの個性に合わせて褒める

それぞれの褒め方について、くわしく説明します。

①具体的に褒める

子どもを褒める時は、できるだけ具体的に褒めてください。「すごいね」「えらいね」と言われると、最初はうれしく感じます。しかし、次第に「おだてられている」と思ってしまうのです。そのまま褒め続けても、子どもの成長への効果はありません。

「何がすごいのか」「どんなことがえらかったのか」を、具体的に子どもに伝える必要があります。そのためには、子どもの様子をよく観察する親の姿勢が大切です。

たとえば「勉強を頑張っていてすごいね」「お手伝いをたくさんしてくれてえらいね」など、子どもの行動を認める褒め方は非常に効果があります。

具体的に褒めて、子どもの気持ちを前向きにしてあげましょう。

②行動や過程を褒める

子どもが頑張っている時は、努力している姿や過程を褒めるのがポイントです。

たとえば、テストで100点をとった子どもに「100点をとってすごいね」と褒めたとします。子どもは嬉しくは感じますが、その一方で「点数が低いと褒めてもらえない」と理解するのです。

「100点をとるために、たくさん勉強したのね。がんばったね」と、努力したプロセスをしっかりと褒めてほしいと子どもは思っています。

親はどうしても「結果」に目を向けがちです。成果だけをみるのでなく、頑張っている普段の子どもの姿を見逃さずに褒めてあげましょう。

③他人を比較せずに褒める

褒める時は他人と比べずに、子ども自身の成長を認めてあげましょう。他人と比較しない褒め方は、子育てにおいて非常に重要なポイントです。

子どものテストの点数が良くない時「友達は何点なの?」と聞くとどうなるでしょうか。子どものプライドは深く傷つき「頑張っても認めてもらえない」と勉強への意欲を失います。自信の喪失は、周りへの劣等感を抱く原因です。

「今回はいつもより勉強していたね」「この単元は前よりも、よくできるようになったね」など、現在と過去の姿を比較して褒めてあげてください。子どもも自分の成長を自覚でき、チャレンジする意欲が湧いてきます。

④褒める・叱るのメリハリをつける

子どもと過ごしていると、どうしても叱らなければならない場面があります。「褒める」「叱る」のメリハリも大切なポイントです。

感情にまかせて大声で怒鳴ったり、一方的に意見を押し付けたりする叱り方は好ましくありません。「何がいけなかったのか」「何が間違っていたのか」を論理的に伝えるのが、正しい叱り方です。

子どもの行動で気になる面があれば「人をたたくことは、私は間違っていると思うよ」など、冷静に親としての意見を伝えましょう。叱る行為とは、感情的に怒るのではなく、親の意見を正しく伝えることです。

叱った後は、子どもの良い部分を必ず褒めてあげましょう。メリハリを上手につけながら育てるのが大切です。

⑤子どもの個性に合わせて褒める

子どもはそれぞれ一人だけの個性を持っています。活発な子、のんびりな子、敏感な子などさまざまです。子どもの個性に合わせて褒めると、子どもに伝わりやすく、親のストレスも減るメリットがあります。

活発で、話を最後まで聞くのが苦手な子には、簡潔に分かりやすく褒めてあげましょう。

のんびりした子は、さまざまな面で作業が緩やかな姿が多くみられます。本人のペースを大切にし、頑張っているプロセスに目を向けて褒めてあげるのがポイントです。

敏感な子は自信がないため、自分の気持ちをおさえ周りの顔色をうかがう姿もみられます。自分の思いを表現できた時に「よかったね」と共感してあげる親の姿勢が大切です。

褒めて育てることはメリットが大きい

この記事では、子どもの正しい褒め方5つとメリットやデメリットについて解説しました。

子どもに安心感と元気な心を与えるためには、褒めて育てるメリットを知り、実践することが大切です。

十分に子どもを褒めているのか不安になることもあるでしょう。そんな時は一度立ち止まり、子どもの良い面をゆっくり探してみてください。親も子どもと一緒に成長していくのです。

子どもの頑張りを認めてあげられる、褒め上手な親を目指しましょう。



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