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【褒めて伸ばす心理学】中学生の子どもの教育や学びに効果的な6つの褒め方や褒めるメリット・デメリットを解説

子どもを褒めて伸ばすのは、心理学的に良いとされています。しかし、思春期の中学生をどのように褒めたらいいのか悩む方も多いでしょう。

この記事では「褒めて伸ばす育て方が分からない」「褒めるテクニックはあるの?」といった悩みを持つ方のために、中学生の子どもの効果的な褒め方とメリットやデメリットを紹介します。

褒めて伸ばす心理テクニックを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。



この記事を読む方で子育てについて下記、お悩みをお持ちではありませんか?

  • 「ゲーム・スマホばかりで将来が不安になる・・」
  • 「なんでうちの子だけ・・と思うことがある」
  • 「なんで何度言ってもわからないの!?」と咎めてしまう」
  • 「ついつい「あんたは、何やってるの?」と怒鳴ったり手をあげてしまう・・」

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子どもを褒める時のルール

子どもを褒めて伸ばす方法にはルールがあります。正しいやり方を知らずに、やみくもに褒めても逆効果です。

間違った褒め方を続けると、子どもの成長に悪影響を与えます。子どもを効果的に褒めるルールの習得は、子どもの心を安定させるために必要です。

子どもを褒める時のルールは以下の通りです。

【子どもを褒める時のルール】

  • ①行動した直後に褒める
  • ②あらかじめ褒める条件を伝えておく
  • ③むやみやたらに褒めるのは間違い

それぞれのルールについて、詳しく説明します。

①行動した直後に褒める

子どもが何かを頑張ったり、良い行動をしたりした時は、その場ですぐに褒めましょう。その際、どのような行動が良かったのかを実感させるため、できるだけ具体的に伝えるのがポイントです。

特に、思春期の中学生は気分のむらも激しく、イライラも多くなります。後から褒めようと思っていたら、次の瞬間には不機嫌になっていることも。タイミングを逃さない観察力が大切です。

行動した直後に褒めると、親の気持ちが子どもに伝わりやすく、良好な親子関係につながります。

②あらかじめ褒める条件を伝えておく

あらかじめ褒める基準を決めておくと、親が大切にしている価値観を子どもが理解しやすくなります。結果が良い時はもちろん、たとえ失敗しても努力したプロセスを評価すると伝えておくのです。

なぜ基準を伝える必要があるのでしょうか。あらかじめ褒める条件を決めておかないと、同じ行動をしていても、親の気分によって褒めたり褒めなかったりする場合があるからです。

その時の気分で褒めていると、子どもは親の感情に振り回され、信頼感を持ちにくくなります。褒めて伸ばす子育てを成功させるためにも、褒める条件をしっかりと子どもに伝えておきましょう。

③むやみやたらに褒めるのは間違い

褒めることは大切ですが、むやみやたらに何でも褒めてしまうのは逆効果です。褒めてもらうということが先に立ちすぎてしまうことで、下記のような弊害が生じてしまいます。

【むやみに褒めることで生じる弊害】

  • 新しいことに対するチャレンジ精神が薄れる
  • 失敗する恐れがあることに意欲が湧かない
  • 結果を重視するあまり手段を選ばなくなる
  • 褒めてもらうために嘘やズルをするようになる

このようなことが起きてしまっては褒めることがマイナスに働き、伸ばすどころか歪んだ考えを植え付けてしまうことにも繋がります。

④「褒める」と「叱る」バランスを意識する

チャレンジしたことに対してはしっかりと褒め、間違いはきちっと叱るというメリハリをつけるようにしてください。褒めて伸ばすということは、「叱らない」「注意しない」ということではありません。

例え結果が残せなかったとしても、チャレンジしたことやその過程に対しては褒め、良くないことをしてしまった場合は説明しながらしっかりと叱ってください。

単純に褒めるだけではなく、叱られるという経験をするからこそ褒められた時の喜びは大きく、モチベーションの維持や子どもの成長に繋げることができます。

 

子どもを褒めて伸ばすメリット

褒めて伸ばす子育てには多くのメリットがあります。その一つが教育期待効果(ピグマリオン効果)です。

教育期待効果とは、教育心理学において“児童・生徒の学業成績や学級内行動が教師の期待する方向で成就するという現象を意味する。

引用:胡 琴菊「ピグマリオン効果は本当なのか?」

親が褒めると、子どもは期待に答えようと意欲を高め、望ましい行動を増やすのです。

子どもを褒めて伸ばすメリットを以下にまとめました。

【子どもを褒めて伸ばすメリット】

  • ①自己肯定感が上がる
  • ②ラベリング効果が期待できる
  • ③脳が活性化し成果が出しやすくなる
  • ④チャレンジ精神を発揮し失敗を恐れず行動できる
  • ⑤やる気がアップし成長する
  • ⑥保護者やお友達に優しくなれる

それぞれについて詳しく説明します。

①自己肯定感が上がる

自己肯定感のアップは、褒めて伸ばす子育てにおける重要なメリットの一つです。

新しい挑戦への原動力は、自分に対する信頼感です。自分を信じる心は、逆境に負けない強さと、しなやかな柔軟性を生み出します。

自己肯定感が高い子どもは、リラックスした状態で課題に取り組める特徴があります。子どもの自己肯定感を高めるためにも、褒めて伸ばす育て方が大切です。

②ラベリング効果が期待できる

ラベリング効果とは、人間の行動を誘発する心理学です。

ラベルとはいわゆる「レッテル」です。「あなたなら必ずできる」と伝え「自分には能力がある」と思い込ませる効果があります。

親子関係によっては、中学生の子どものどこを褒めたらいいのか迷う場合もあります。そんな時は「よくできているよ。すごいよ」と意識的に子どもに伝えてみてください。

ラベリング効果により、子どもの自信が高まり自己肯定感も上がります。

③脳が活性化し成果を出しやすくなる

脳が活性化すると、より高い成果を出しやすくなります。

ドーパミンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、放出されると強い幸福感に包まれるのが特徴です。

褒められた子どもは、うれしかった快感を得るために「また頑張ろう」とやる気を出します。さらに、意欲的な子どもを目の当たりにした親の脳内でも、ドーパミンが放出されやすい状態です。

お互いに幸せな気持ちになるので、良好な親子関係を築きやすくなります。

④チャレンジ精神を発揮し失敗を恐れず行動できる

褒めてもらうことで自信がつき、何事にもチャレンジ精神が育つようになります。また、意欲的に新しいことにチャレンジしたり、失敗を恐れず自ら動く行動力も身につきます。

チャレンジ精神が発揮されれば思考もポジティブになり、たとえ失敗したとしてももう一度挑戦しようと前向きな気持ちを持つことも可能です。

自分自身がやってみたいことやこうしたいという気持ちを強く持ち、積極的に行動することができるようになれば、子どもの可能性を大きく広げる事にも繋がります。

⑤やる気がアップし成長する

子ども自身が持っている「やる気」は、行動を起こすための原動力です。褒めることによってやる気がアップし、自ら進んで動き出すことでおのずと成長することができます。

自分で考えて行動する力や積極性を育み、さらに褒めてもらえれば親に認められていると感じるようになり自信をもつことができます。

子どもが進んで成長する機会を積極的に与えてあげるためには、身近な親が褒めることでやる気をアップさせることが大切です。

⑥保護者やお友達に優しくなれる

子どもは褒められることで自分に自信が持てるようになります。その結果、保護者や周りのお友達など、自分の近くにいる人たちに優しくする気持ちを持つことができます。

親が自分を見て褒めてくれると実感できれば、これまで以上に良好な親子関係を気付くことも可能です。

また、他人を卑下したり見下すことはせず、素直な気持ちでお友達を褒めるなど、協調性や人の気持ちに寄り添うことが出来る共感性が身に付きます。

子どもを褒めて伸ばすデメリット

褒めて伸ばす子育てが推奨される中、叱って伸ばす教育が望ましいと考える方もいるのではないでしょうか。褒めすぎると子どもの「甘え」につながるのでは、と不安を覚える気持ちもわからなくはありません。

確かに、褒めることにはデメリットも存在するのが事実。褒める育児を成功させるには、デメリットを知るのも必要です。

褒めて伸ばす育て方のデメリットは以下の通りです。

【褒めて伸ばすデメリット】

  • 良い子症候群になる可能性
  • 親の言いなりになりやすい

それぞれのデメリットについて、詳しく説明します。

①良い子症候群になる可能性

自分の気持ちをおさえ、親が褒めてくれる行動を演じる特性を、心理学では「良い子症候群」と呼びます。

子どもは親に対し「自分を認めてほしい」と本能的に願っています。そのため、子どもは親の表情や目つきのささいな変化に敏感なことも。

良い子症候群は、子どもがありのままの自分を表現できません。子どもの成長において、非常に危険なサインなので注意しましょう。

②親の言いなりになりやすい

褒めて育てられた子どもは、親の言いなりになりやすい面もあります。良い子症候群と同じく、親の希望をかなえるため、自分の気持ちをおさえてしまうのです。

褒められないと不安になるので、親が喜ぶ行動を言われるがまま実行します。強く言えなかったり、反抗する勇気がなかったりする性格が特徴です。

このように育った子どもは、次第に自分の本当の感情が分からなくなります。親からの精神的自立ができないまま、大人になる可能性が出てきます。

子どもを褒めて伸ばす心理テクニック・コツ6選

心理学に基づいた正しいテクニックを使えば、よりいっそう効果が高まります。

しかし、思いつくまま「すごいね」「えらいね」と褒めるだけでは、親の気持ちが子どもに伝わりません。子どもの心を動かすテクニックの習得が必要です。

褒めて伸ばす心理テクニックを以下にまとめました。

【褒めて伸ばす心理テクニック】

  • ①具体的な言葉で褒める
  • ②他人と比較しない
  • ③褒めるよりも勇気づける
  • ④些細な変化に気付いて褒める
  • ⑤質問しながら褒める
  • ⑥成果や人格ではなく過程・姿勢・努力を褒める

それぞれのテクニックについて、くわしく説明します。

①具体的な言葉で褒める

子どもを褒める時、さりげなく「すごいね」と伝えても効果はありません。できるだけ具体的に分かりやすく伝える必要があります。

たとえば「中間テストの順位が上がったね。頑張ったね」など、何を頑張ったのか分かるように伝えてあげてください。

「夜中まで勉強していたよね。えらかったね」と、努力したプロセスも同時に褒めるとより効果的です。「親はきちんと自分をみてくれている」と子どもの安心感につながります。

中学生の子どもは、甘えたり反抗したり、情緒が不安定な時期です。子どもの不安を解消するためにも、子どもの様子をよくみて具体的に褒めてあげましょう。

②他人と比較しない

他人と比べる褒め方は、子どものプライドを傷つけ、親子関係の悪化につながりやすくなります。特に、きょうだい間での能力の比較はやめましょう。

他人と比べられた子どもの目的は、親に褒められることです。成果を出さないと「親に愛されない」と次第に目標を失い、無気力になるケースもあります。

「去年と比べて、ずいぶんテストの順位が上がったね」「小学生の時より足が速くなったね」など、過去の子どもの姿と比べるのが効果的です。

子ども自身も、自分の成長を自覚し、新たな目標を見つけやすくなります。

③褒めるよりも勇気づける

勇気づけとは、子どもが「自分には能力がある」と信じられるように、親が声かけを工夫する方法です。アドラー心理学の子育てにおいて、多くの実践例があります。

声かけの例を紹介します。

【勇気づける声かけの例】

  • あなたのおかげでとても助かったよ(協力に注目)
  • 失敗したけれど、よく頑張ったね(プロセスを重視)
  • この前よりもずいぶん上手になったね(成長を重視)
  • この部分はとても進歩しているよ(成果に注目)
  • やる気があるのでとてもうれしいよ(感謝と共感)

④些細な変化に気付いて褒める

子どもを褒めて伸ばすには、普段から子どもの様子をよく観察しましょう。ささいな変化に気付いてもらえた子どもは、親を信頼しやすくなります。

思春期の中学生は、感情がジェットコースターのように浮き沈みしています。たった一日で人格が変わったかのように不機嫌になるので、親は関わりに悩みがちです。

関わりに迷った時は、静かに見守りながら子どもの姿をていねいに観察してみてください。

子どもは確実に成長しているはずです。その変化を見逃さない親の姿勢が、子どもの自信を育てます。

⑤質問しながら褒める

思春期を迎えている中学生を褒める時、質問しながら褒めるのは効果的です。

中学生は親に激しく反抗する時もあれば、甘えて依存する日もあります。これは思春期の自然な姿であり、親から自立しようとする中学生の特徴です。

口数も少なくなるので、数少ない会話は褒めるチャンス。会話の中で正しく質問をすると、話が広がりやすくなります。

質問には「どんな風に?」「なぜ?」「なに?」の言葉を使いましょう。「はい」「いいえ」で答えられないので、具体的な答えが聞けます。子どもの話から褒めるポイントをみつけ、子どもに伝えてみてください。

⑥成果や人格ではなく過程・姿勢・努力を褒める

子どもに対して褒めるときには、チャレンジした結果や人格を褒めるのではなく、その過程や挑戦した姿勢・努力に目を向けてあげてください。例え失敗したり間違ったりしても、新しい物事に向き合った姿勢をしっかりと認めてあげることは、次へのチャレンジにも繋がります。

「よい結果を出さなければ褒めてもらえない」「チャレンジしたことは認めてもらえない」こうした考えが子どもに根付いてしまっては、もう一度挑戦する意欲をなくしてしまいます。

さらに他人を下げて自分をあげるなど、褒められるために手段を選ばないという結果になってしまうため注意しなければいけません。

「叱って伸ばす・怒って伸ばす」と「褒めて伸ばす」どちらが効果的?

結論からいうと、「褒めて伸ばす」という方が教育には効果的です。あるアメリカの心理学者が行った有名な実験によると、子どもを4つのグループに分けて算数のテストを行い、「称賛」「叱責」「放任」「条件なし」でそれぞれの違いを観察しました。

叱責グループは、テストのミスについて厳しく追及されるという事を繰り返した結果、一時的に学力の向上はありましたが、身につけた力を維持することはできませんでした。一方称賛グループは、学力が全体的に高くなり、その後も落とすことなく維持しているという結果になっています。

そのため、子どもの成長を促し様々な力を向上させたいのであれば、叱って伸ばす・怒って伸ばすよりも、褒めて伸ばす方が効果的です。

子どもを正しく褒めて教育を行おう

この記事では、中学生の子どもの効果的な褒め方とメリットやデメリットについて解説しました。

能力を発揮できる子どもを育てるためには、褒めて伸ばす方法を親が学ぶ必要があります。

紹介した心理学のテクニックを、すぐに使いこなすのは難しいかもしれません。完璧にやろうとせず、できることを一つひとつ実践すれば、褒める子育てを身に付けられます。

子どもを正しく褒めて、自信をつけてあげられる家庭教育を行っていきましょう。

もし、体系的に褒める子育てスキルを手に入れたい方は弊社が提供している「ほめビリティ ペアレンティング」を検討してみてください。思春期のお子さまとの具体的なコミュニケーション方法などもお伝えしております。



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