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【日本語能力試験(JLPT)のN4とは?】合格に必要な日本語レベルの目安や無料の問題例をご紹介

事業の国際化・企業の海外進出など、日本では近年グローバル化が顕著です。一方で国内に目を向けると、日本は高齢化が進んでいて、働き手の不足が重大な問題の一つとなっています。

それに伴い、外国人を採用する企業が増加しており、日本で生活する外国人の人数も同時に増え続けています。外国人が日本の企業へ就職する際には日本語能力試験を取得していると有利です。

この記事では、日本語能力試験のN4に焦点を当てて、合格するために必要なスキルや試験の情報を詳しく解説します。実際の問題例も紹介するのでぜひ最後までご覧ください。



この記事を読む方で、外国人へ日本語を教えることについて下記のようなお悩みを持っている方はいませんか?

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日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験とは、日本語が母国語ではない人の日本語能力を測るための試験です。1984年に開始された歴史のある試験で、年齢制限がないため小学生から社会人まで幅広い年齢の方が受験しています。

日本語を「読む力」と「聞く力」が試され、外国人が自身の語学レベルを分かりやすく示すことができるので、学校や企業での進学・就職・昇級などさまざまな目的で活用されています。

日本語能力試験(JLPT)のN4とは?5レベル中の下から2番目の試験

日本語能力試験は5段階のレベルに分けられており、細かく受験者の日本語レベルを判定することが可能です。N4は5レベル中の下から2番目に位置する試験になります。

まずはそれぞれのレベルの目安を知り、自分が現在受験するに値する力があるか検討してみましょう。

レベル 特徴
N1
  • 一番難易度の高いレベル
  • 日常生活に限らずビジネスなどさまざまな場面で使われる日本語を理解できる
  • 自然なスピードの会話・ニュース・講義などを聞いて詳細を問題なく理解できる
N2
  • 日常生活やビジネスなどにおける日本語に対してある程度理解できる
  • 自然に近いスピードの会話を聞き、その全容を把握できる
  • 幅広い話題について書かれた新聞の記事も、論旨が複雑でなければ内容を理解できる
N3
  • 日常的に使われる日本語をある程度理解できる
  • 日常生活でやや自然に近いスピードのまとまりのある会話を理解できる
  • 日常生活で使う難易度のやや高い文章は、言い換え表現が与えられれば、要旨を理解できる
N4
  • 基本的な日本語を理解できる
  • ゆっくり話される会話の内容がおおよそ理解できる
  • 日常的に使う漢字や語彙が含まれている文章を読んで理解できる
N5
  • 5段階の中で一番容易なレベル
  • 基本的な日本語をある程度理解できる
  • 日常生活の中でも頻繁に使い、ゆっくり話される短い会話であれば必要な情報を聞き取る力がある

N4は、主に学校内で学ぶ基本的な日本語が理解できているかを試すテストです。日本語を勉強して間もない外国人にとっては難しいレベルと言えるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)のN4を取得するメリット

日本語能力試験には、自分の日本語レベルを証明できるだけではなく、社会的にさまざまなメリットがあります。特に日本の企業に就職したい外国人の方には有利な点が多いでしょう。

N4を取得する主なメリットは下記の通りです。

  • 学校での単位・卒業資格の認定
  • 就職など企業での優遇
  • 特定技能ビザの取得条件を満たせる
  • EPAに基づく看護師や介護福祉士の候補者の条件を満たせる
  • 語学力をアピールできる

一番下のレベルのN5では日本語初心者のイメージがありますが、N4ではある程度の日本語レベルが周囲から認められるため、社会的利点も上記のように少なくありません受験するか悩んでいる方にとっては、チャレンジしてみる価値があると言えるでしょう。

日本語能力試験(JLPT)のN4で必要な日本語レベルの目安

日本語能力試験には、「話す・聞く・書く・読む」の4つの能力のうち、「話す」「書く」に関するテストは含まれていないので、試験に合格できても実際に日本語を話せるかは確実ではありません。

テストで必要なのは、あくまでも「聞く」「読む」の2つの技能に限られます。その点をふまえて、日本語能力試験のN4で求められるレベルを細かく見ていきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN4で求められる日本語のレベル】

  • 日本語を読む力

  • 日本語を聞く力

日本語を読む力

N4レベルで日本語を読む力として求められるスキルは下記の通りです。

【N4で求められる日本語を読む力】

基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

日常生活の中でよく使う、比較的容易な文章に関しては読んで理解できなければいけません。漢字・ひらがな・カタカナの理解も必要であり、文字・文法・語彙などの言語知識もある程度求められます。

日本語を聞く力

日本語を聞く力では下記のような理解度が求められています。

【N4で求められる日本語を聞く力】

日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる

引用:日本語能力試験「N1~N5認定の目安

N4に合格すると、自然なスピードの会話の理解とまではいきませんが、普段の生活である程度ゆっくり話すと伝わる程度の力があると判断されます。ホテル・レストラン・介護施設などでの仕事も可能であると言われるレベルです。

日本語能力試験(JLPT)のN4の難易度は?合格点・合格率をご紹介

次に、日本語能力試験のN4の難易度について詳しく説明します。日本語能力試験の合格のためには「総合得点」「区分別得点」の2つにおいて、どちらも合格点(基準点)を上回ることが必要です。

総合得点 得点範囲 0~180点
合格点 90点
区分別得点 言語知識
(文法・語彙・文字)・読解
得点範囲 0~120点
基準点 38点
聴解 得点範囲 0~60点
基準点 19点

N4の合格には、総合得点が180点中90点以上、区分別得点として言語知識・読解が120点中38点以上、聴解が60点中19点以上必要です。総合得点が合格点を上回っていても、区分別得点が基準点を下回れば不合格となります。

次に、過去5年間のN4レベルの受験者数・合格率を見ていきましょう。

実施年 実施月 合格者数/受験者数
(認定率)
2019年 7月 26,065人/79,731人
(32.7%)
12月 31,317人/103,503人
(30.3%)
2020年 12月 21,309人/52,993人
(43.6%)
2021年 7月 20.552人/41,074人
(50.0%)
12月 21,073人/48,511人
(43.4%)
2022年 7月 25,323人/55,544人
(45.6%)
12月 43,798人/107,539人
(40.7%)
2023年 7月 63,184人/148,410人
(42.6%)
12月 47,243人/149,334人
(31.6%)

引用:日本語能力試験「過去の試験のデータ

過去5年間の平均合格率は40.0%です。2020年以降の合格率は上昇傾向にありますが、それでも受験者のうち合格者は半数以下という結果であり、誰でも合格できる簡単なテストではないことが分かります。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの試験情報

試験を受ける際は、時間内に全問題を解くことも高得点を取るための秘訣の一つです。そのためには時間配分が大切な要因となります。

ここでは、日本語能力試験の試験時間と試験科目を確認しましょう。N4レベルの試験時間は下記の通りです。

【日本語能力試験N4レベルの試験時間】

  • 言語知識(語彙・文字):25分
  • 言語知識(文法):55分
  • 聴解問題:35分

次に、N4レベルの試験科目の構成と大問を見てみましょう。

試験科目 大問
言語知識・読解 文字・語彙 漢字読み
表記
文脈規定
言い換え類義
用法
文法 文法形式の判断
文の組み立て
文章の文法
読解 内容理解(短文)
内容理解(中文)
情報検索
聴解 課題理解
ポイント理解
発話表現
即時応答

「聞く力」「読む力」を測るために、言語知識・読解・聴解まで細かく構成された内容のテストになっています。

テストはマークシート方式で、選択肢の中から正しい解答を選ばなければなりません。受験者が間違えやすい選択肢で作成されていることが多いので、正答できるように知識をつけておくことが求められます。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの試験問題例

例えば、資格試験を受ける時は過去の出題問題を参考にして勉強することが多いように、試験問題に慣れておくことが重要です。ここでは、日本語能力試験で出題される例題を紹介します。他の問題例も公式HPで確認できるので、実際にチェックして練習してみてください。それでは3つの例題を一緒に見ていきましょう。

【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの問題例】

  • 問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。
  • 問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

引用:日本語能力試験「問題例に挑戦しよう

問1.()の ことばは ひらがなで どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

正しい漢字の読み方を選択する問題です。

「あには バスで 会社に (通って) います。」

(1)むかって(2)かよって(3)わたって(4)もどって

この問いの答えは「(2)かよって」です。解答の選択肢を見ると、どれを選んでも文章が成立するように感じるため、外国人にとっては迷う可能性のある問題でしょう。

問2.()の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

文章中のひらがなを正しい漢字にする問題です。

「ふねで にもつを (おくります)。」

(1)近ります(2)逆ります(3)辺ります(4)送ります 

この問いの答えは「(4)送ります」です。選択肢の漢字にはすべて「しんにょう」が使われています。似ている漢字から選択するため、正しい知識がなければ解けない問題です。

問3.()に なにを いれますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

空欄に適切な単語を入れて、正しい文章を完成させる問題です。

「スーパーで もらった ()を 見ると、 何を 買ったか わかります。」

(1)レジ(2)レシート(3)おつり(4)さいふ 

この問いの答えは「(2)レシート」です。選択肢にはスーパーで買い物をする際に使う単語が並んでいます。すべての選択肢の意味を正しく理解しなければ正答できません。

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルに関するよくある質問

最後に、N4レベルに関するよくある質問に回答します。

【日本語能力試験(JLPT)のN4レベルに関するよくある質問】

  • 日本語能力試験(JLPT)N4レベルの2024年の試験日はいつ?
  • 日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの問題例は無料?

N4レベルの受験を検討している方が知っておくべき2つの項目です。しっかり準備をして試験を迎えられるよう事前に把握しておきましょう。

日本語能力試験(JLPT)N4レベルの2024年の試験日はいつ?

日本語能力試験は年に2回開催されています。下記が2024年の試験日です。

【日本語能力試験(JLPT)の2024年の試験日】

  • 2024年7月7日(日) 
  • 2024年12月1日(日)

引用:日本語能力試験JLPT「試験科目と問題の構成

日本以外に海外でも受験可能ですが、7月と12月のどちらかの試験だけを実施する都市もあります。申し込みの締め切りは試験日のおおよそ3か月前までです

日本語能力試験(JLPT)のN4レベルの問題例は無料?

日本語能力試験の試験問題例は、全てのレベルにおいて公式HPに無料で掲載されています。

この問題を解いてみることで、各レベルのおおまかな難易度が分かるので、受験を迷っている方はぜひチェックしてみてください。本番同様の形式で練習できます。

まとめ:N4レベルを取得して進学・就職に役立てよう!

今回の記事では、日本語能力試験のN4の基本情報から取得するメリット、合格するために必要な日本語レベルや実際の問題例まで詳しく解説しました。

日本語能力試験に合格することで、自分の日本語の「読む力」「聞く力」を根拠づけてアピールすることが可能になります。単なる力試しだけではなく、進学・就職などに役立てることもできるので、かなり実用的な試験です。

企業の中には、日本語能力試験の取得を条件にしている会社もあります。日常的な範囲で使用する日本語の「読む力」「聞く力」があることを証明できれば、企業からの印象も大きく変わるでしょう。

本記事で紹介した内容を参考に、自分に適したレベルであるか確認して実試験に挑戦してください。



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