こんにちは。「すららネット」コラム運営事務局です。
「子どもたちの可能性をもっと広げたい」「勉強が苦手な生徒にも『わかった!できた!』の成功体験をさせたい」――そんな熱い想いを持って日々の教壇に立たれている先生方を、私たちは心から応援しています。
時代とともに学校教育のあり方も変化していますが、先生方が抱える「知りたい!」「困った!」を解消し、明日からの指導にワクワクしていただけるようなお役立ち情報をお届けしていきます。
それでは、今回の内容を一緒に見ていきましょう。
この記事でわかること/
解決できること
- GIGAスクール構想を背景としたタブレット導入の目的
- 学習効果を高める個別学習や協働学習での具体的な活用法
- 主要3OS(iPad、Chromebook、Windows)の比較と選び方
- 導入を成功させるために押さえておくべき運用上の注意点
目次
学校でのタブレット端末が導入された背景
日本の教育現場においてタブレット端末の導入が急速に進んだ背景には、文部科学省が2019年に打ち出した「GIGAスクール構想」があります。この構想は、児童生徒一人ひとりに1台の端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することを目的としています。
変化の激しい時代を生き抜くために、子どもたちがICTを適切に活用できる環境を整えることは急務とされました。従来の画一的な教育から脱却し、誰一人取り残すことなく個々の能力を最大限に引き出すための基盤として、タブレット端末の活用が不可欠であると判断されたことが大きな要因です。
以下では、具体的な導入の目的や狙いについて、それぞれの観点から詳しく解説します。
※「GIGAスクール構想」について詳しくは下記です。
https://surala.jp/school/column/2080/
学習が個別最適化され、創造性を育む教育環境を実現するため
タブレットの活用は、児童生徒一人一人の特性や学習進度に応じた個別最適な学びの実現に大きく貢献します。
従来の画一的な授業とは異なり、個々の理解度や興味関心に合わせた教材をリアルタイムで提供できるため、より効果的な指導が可能です。
また、学習履歴のデータを蓄積・分析することで、教員は生徒がどこでつまずいているかを客観的に把握し、適切なフォローアップを行えます。
こうした環境が整うことで、すべての児童生徒が自分のペースで自発的に学習を進められるようになり、学力の向上だけでなく学習意欲の喚起も期待できます。
デジタル技術を駆使して一人ひとりの能力を最大限に引き出し、創造性を育む新しい教育環境の構築が進んでいます。
※「個別最適な学び」について詳しくは下記です。
https://surala.jp/school/column/5238/
https://surala.jp/school/column/2671/
諸外国に比べICTの利活用が遅れているため
日本の学校教育におけるICTの利活用は、諸外国と比較して大幅に遅れていたという実態があります。文部科学省の調査によると、2018年時点での授業におけるデジタル機器の利用時間は、日本はOECD加盟国の中で最下位という結果でした。
当時の教室では、授業中にデジタル機器を全く利用しないと回答した生徒が約80%にものぼり、他国との教育環境の格差が浮き彫りとなりました。このような国際的な遅れを取り戻し、世界標準の教育環境を急ピッチで整える必要性が認識されたことが、1人1台のタブレット端末導入を強力に推進する大きな要因となっています。
※文部科学省 国立教育政策研究所による「OECD 生徒の学習到達度調査(PISA2018)のポイント」
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf
そもそも学校でタブレットを使う目的とは?学習におけるメリットを解説
学校でタブレット端末を活用する最大の目的は、一人ひとりの習熟度や興味に合わせた個別最適化された学びと、他者と意見を交わす協働的な学びを両立させることにあります。従来の教科書やノートを用いた一斉授業だけでは難しかった、柔軟な学習環境の構築が期待されています。
以下では、学校生活の具体的な場面において、タブレットがどのような教育効果をもたらすのかを詳しく解説します。
一人ひとりの学習進度に合わせて学べる個別学習の実現
タブレットを活用する大きなメリットの一つは、生徒一人ひとりの学習進度や理解度に合わせた個別学習が可能になる点です。
デジタルドリルやAI教材アプリを使えば、個々の解答状況に応じて出題内容が最適化され、苦手な分野を効率的に克服できます。
また、自分のペースで学習動画を視聴したり、繰り返し問題を解いたりすることも容易です。
この利点により、授業についていけない生徒を減らし、得意な生徒はさらに発展的な学びに挑戦できる環境が整います。
デジタル教材のメリットについては「デジタル教材とは?学校で使うメリットやデメリット」で詳しく紹介しています。
写真や動画を活用して思考力や表現の幅を広げる
タブレットの内蔵カメラやマイクを使えば、写真や動画を簡単に撮影・録音できます。
理科の観察記録を写真で残したり、体育の授業で自分のフォームを動画で確認したりと、文字や図だけでは伝えきれなかった情報を記録・表現可能です。
さらに、撮影した素材をプレゼンテーション資料にまとめたり、編集アプリを使って映像作品を作成したりする活動を通じて、思考力や表現の幅を大きく広げられます。
これらは紙の教科書やノートでは難しかった学習活動です。
意見を共有し考えを深める協働学習の実現
タブレットは、協働学習を円滑に進めるための強力なツールです。
学習支援ツールを使えば、自分の考えをデジタル付箋に書いて電子黒板上で共有したり、グループで一つのプレゼンテーション資料を同時に編集したりできます。
他者との意見交換により、多様な視点を知り、自分の考えを客観的に見つめ直すきっかけが生まれます。
こうしたデジタルノートなどの共有機能は、対話的な学びを活性化させ、思考を深める上で大きな役割を果たします。
1人1台端末のメリットや運用のポイントについては「進む1人一台端末の活用!メリット・デメリットや運用のポイント」で詳しく紹介しています。
デジタル教科書や多様な学習支援アプリの活用方法
デジタル教科書は、紙の教科書の内容をそのまま表示するものです。文字だけでは理解しにくい内容も、視覚的に学べるため、生徒の学習を助けることができます。また、動画や音声、アニメーションなどのデジタル教材、漢字練習アプリや計算ドリル、プログラミング教材といった目的に応じた多様な学習支援アプリの使い方も広がっています。
これらのツールを適切に活用することで、日々の学習をより効果的で楽しいものに変えられます。デジタル教科書については「小学校からデジタル教材は必要?デジタル教科書との違い」で詳しく紹介しています。
情報収集や整理のスキルを実践的に育む調べ学習
調べ学習において、タブレットは情報収集と整理のための強力なツールとなります。
インターネットを使えば、書籍や新聞、公的機関のデータベースなど、膨大な情報源に瞬時にアクセス可能です。
ただし、大切なのは情報の信憑性を見極め、必要な情報を取捨選択する能力です。
集めた情報を表やグラフにまとめたり、プレゼンテーション資料を作成したりする一連のプロセスのプロセスを通じて、これからの社会で必須となる情報活用能力を実践的に育んでいきます。
キーワードを工夫して検索することも重要なスキルです。
OS(iPad/Chromebook/Windows)クイック比較表
学校用タブレットの導入において、OSの選択は学習の質や運用負荷を左右する極めて重要な要素です。現在、教育現場ではAppleのiPad、GoogleのChromebook、MicrosoftのWindowsが3大OSとして広く普及しており、それぞれ操作性や管理手法に独自の特徴があります。
どの端末を採用するかによって、利用できる学習アプリの種類や教員による管理のしやすさが大きく異なるため、自校の教育目標に照らし合わせた慎重な比較が欠かせません。ここでは、スペックや導入・運用コスト、学習シーンでの適性といった多角的な視点から、各OSの違いを一覧表で分かりやすく解説します。自校にとって最適な1台を選定するための判断基準として参照してください。
文部科学省では、学校におけるICT環境の整備・運用についてのガイドブックを提供しています。このような資料を参考にしながら、各学校の実情に応じたICT環境の整備を進めましょう。
参照:学校のネットワーク改善ガイドブック 令和6年4月|文部科学省
授業でタブレット端末を活用した具体的な事例
学校でのタブレット活用は、学年や教科を問わず、さまざまな教育現場で効果的に展開されています。端末を導入したことによる変化は、従来の学習スタイルをより深化させ、生徒の能動的な学びを引き出す点にあります。
具体的には、小学校から中学、高等学校まで、それぞれの発達段階に応じた使い分けがなされています。低学年では直感的な操作による表現活動、中高学年以上ではデータの分析や高度なプレゼンテーション制作など、活用の幅は多岐にわたります。
以下では、科目ごとや領域において、どのような教育効果を生んでいるのか、具体的な活用シーンを詳しく紹介します。
【国語】自分の考えを可視化する意見共有や発表活動での使い方
国語の授業では、自分の意見や感想をまとめる際にタブレットが役立ちます。
例えば、物語の登場人物の心情を表や相関図にまとめたり、自分の考えをプレゼンテーションソフトで作成して発表したりする使い方が考えられます。
また、学習支援ツールを使えば、クラス全員の意見を一覧で共有し、それぞれの考え方の違いや共通点について議論を深めることも可能です。
※「国語」での具体的な活用事例は下記です。
https://surala.jp/school/voice/list/2745/
【算数・数学】図形やグラフを動かして関数の変化を視覚的に理解する
算数・数学では、図形やグラフを扱う学習でタブレットの活用が効果的です。
専用のアプリを使えば、立体図形をさまざまな角度から眺めたり、関数のグラフの係数を変えたときに形がどう変化するかを動的にシミュレーションしたりできます。
手書きでは難しい操作も、タブレット上なら簡単に行えるため、抽象的な概念を視覚的・直感的に理解する助けとなる使い方です。
※「数学」での具体的な活用事例は下記です。
https://surala.jp/school/voice/list/4060/
【理科・社会】観察記録や調査結果を写真や動画で分かりやすくまとめる
理科の実験や社会科の地域調査では、タブレットのカメラ機能が活躍します。
植物の成長過程を定点観測して写真で記録したり、実験の様子を動画で撮影して後から振り返ったりすることが容易です。
集めた写真やデータを基に、観察・調査レポートをデジタルで作成すれば、情報の整理や発表もスムーズに行えます。
写真やグラフを効果的に使った編集は、分かりやすく伝える表現力を養います。
【英語】ネイティブの発音を聞いたりスピーキング練習に活用したりする
英語学習において、タブレットは音声学習の強力なツールとなります。
デジタル教科書やアプリを使えば、ネイティブスピーカーによる単語や文章の発音を繰り返し聞くことができます。
また、自分の発音を録音して客観的に確認したり、AIによる発音評価機能を使ったりする使い方も有効です。
個々のペースでリスニングやスピーキングの練習に取り組めるため、着実な英語力の向上が期待できます。
※「英語」での具体的な事例は下記です。
https://surala.jp/school/voice/list/196/
【体育・音楽】自分の動きを録画してフォームを確認したり楽譜を共有したりする
体育の授業では、器械運動や球技などのフォームをタブレットで録画し、スロー再生で確認する使い方が有効です。
自分の動きを客観的に見ることで、課題の発見や改善点の理解につながります。
音楽の授業では、合唱や合奏の様子を録音して聞き返したり、デジタル化された楽譜をクラス全員で共有したりすることができます。
これにより、全体の調和を確認しながら練習を進めることが可能です。
タブレット端末を活用する際の注意点
タブレットの導入や活用には多くのメリットがある一方で、運用にあたってはいくつかの注意点や問題点も存在します。導入を成功させるためには、利点ばかりに目を向けるのではなく、発生しうる課題やトラブルを事前に考慮したうえで最適な活用方法を検討することが大切です。
特に、端末を単なる配布物で終わらせないための運用体制や、生徒が安全に利用できる環境の構築は避けて通れません。以下では、教育現場や家庭でタブレット端末を活用する際に、具体的にどのような点に気をつけるべきか、主要なポイントに絞ってリード文形式で解説します。
児童・生徒のモチベーションを維持する必要がある
タブレットの導入初期には、物珍しさから児童生徒の学習意欲が高まる傾向にありますが、活用の継続に伴いモチベーションの維持が大きな課題となります。
デジタル教材の閲覧や単調なドリル学習の繰り返しだけでは、子どもたちが飽きを感じてしまい、学習効果が低下する恐れがあります。常に同じ作業を強いるのではなく、文部科学省が公開している事例集などを参考に、多様な活用方法を模索することが重要です。
思考を可視化するワークや、他者と共同で作品を作り上げるプロジェクトなど、タブレットならではの体験を取り入れる工夫が求められます。端末を使うこと自体を目的化せず、知的好奇心を刺激し続ける授業設計を心がけましょう。
参照:各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する参考資料|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/mext_00915.html?_fsi=wP123uWd&_fsi=wP123uWd
セキュリティ対策を行う
タブレットを教育現場に導入する際は、万全なセキュリティ対策が欠かせません。インターネットへの接続は便利な反面、情報漏えいや外部からのサイバー攻撃といったリスクを常に伴うからです。
児童生徒が不適切なWebサイトへアクセスしたり、SNS等で誤って個人情報を発信したりすることを防ぐため、学校側には多角的な防御策が求められます。具体的には、ウイルス対策ソフトの導入とこまめな更新(アップデート)、フィルタリングソフトによる閲覧制限、推測されにくいパスワードの管理などを徹底する必要があります。
加えて、端末の紛失時に備えたリモートロック機能の設定も重要です。こうした技術的な対策と併せて、子どもたち自身がリスクを正しく理解し、自律的に端末を扱えるよう情報モラル教育を継続的に実施していくことが、安全な学習環境を守る鍵となります。
教員向けの研修
タブレットを活用した授業を効果的に行うためには、教員自身が操作や活用方法を十分に習熟している必要があります。単に端末を配布するだけでは教育効果は上がらないため、教員向けの研修やサポート体制を組織的に整備することが不可欠です。
研修の内容としては、端末やアプリケーションの基本操作を学ぶだけでなく、ICTを組み込んだ授業設計や教材作成の具体的な支援が求められます。教員が自信を持って教壇に立てるよう、実践的なスキルを習得する機会を設けることが大切です。
校内での研修に加え、外部の専門サービスやイベント、セミナーを活用することも有効な手段となります。専門的な知見を取り入れることで、教員のICT活用能力が向上し、タブレットの特性を最大限に引き出した質の高い授業の実現につながります。
※「すらら」活用した具体的な事例は下記です。
https://surala.jp/school/voice/
※「すららネット」が開催しているセミナー情報を見る
https://surala.jp/school/seminar/
利用ルールの設定
端末導入後の運用を円滑にするためには、明確な利用ルールを定めることが不可欠です。授業中の使用時間や目的を具体化し、学習に関係のないゲームやSNSの使用を適切に制限することで、生徒が本来の学びに集中できる環境を整えます。
一方で、過度な制限は生徒の探究心や主体性を損なう恐れがあります。そのため、ルールは教師が一方的に押し付けるのではなく、生徒と一緒に議論し、納得感のある形で設定するのが理想的です。自分たちで決めた約束を守るプロセスを通じて、デジタル端末を自律的に使いこなす情報モラルも養われます。
保護者の理解と連携
学校でのタブレット導入を成功させるには、保護者の理解と協力が不可欠です。家庭からは、学習時間の適切な管理や、視力低下・姿勢の悪化といった健康面への影響を懸念する声が多く寄せられます。また、学習以外の目的でゲームや動画視聴に没頭してしまわないかという点も、大きな不安要素となっています。
こうした懸念を解消するため、学校側は定期的な保護者会を通じて具体的な活用事例を共有し、タブレットが学びをどう変えるのかを丁寧に説明する必要があります。家庭内でのルール作りをサポートするガイドラインの提供も有効です。
ICT支援員による相談窓口の設置や、定期的な「保護者だより」の発行など、学校と家庭が密に連携し、子どもの学習を支える体制を整えることが求められます。
※「すらら」活用した具体的な事例は下記です。
https://surala.jp/school/voice/
まとめ
学校でのタブレット活用は、一斉学習や個別学習、協働学習といった多様な授業スタイルを実現し、一人ひとりに最適化された学びの提供を可能にします。ICTを効果的に利活用することは、子どもたちの創造性を育み、これからの社会で必要とされる情報活用能力を養うことにつながります。
ただし、その効果を最大限に引き出すためには、端末を配布して終わりにするのではなく、運用体制を十分に整えることが欠かせません。セキュリティ対策の徹底はもちろん、快適な通信環境の整備や教員の指導力向上、家庭との連携など、多角的な視点での準備が必要です。
適切なルールと環境のもとでタブレットを使いこなし、日々の学習をより豊かで深いものにしていきましょう。

株式会社すららネット マーケティング本部 学校ソリューショングループ
【学校向けサービスサイト運営/教育コンテンツ企画/ホワイトペーパー制作】を担当。
すららネットは、AIを活用したICT教材「すらら」「すららi」等を通じて、【約2000校・約25万人】の学習支援に取り組んできた教育ソリューション企業。
学校・自治体への導入支援や教育現場との接点を通じて蓄積された知見をもとに、ICT教材の活用等に関する記事の企画・執筆を行っている。













