【ワーキングメモリ×子どもの生活支援】具体例から学ぶ効果的な学習法

 

子どもの学習や日常生活でつまずきの原因となることが多い「ワーキングメモリ」。記憶を一時的に保持し処理する能力であるワーキングメモリは、学習だけでなく生活全般に影響を与えています。本記事では、ワーキングメモリが子どもの日常生活にどう関わるのか、その仕組みと特徴に焦点を当て、エピソード記憶との関連性や、ワーキングメモリを効果的に活用するための具体的な支援方法をご紹介します。お子さまの学習効率と生活の質を高める方法を見つけるためのお役に立てましたら幸いです。



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ワーキングメモリと日常生活

ワーキングメモリのメカニズムのイメージ

 

子どもの普段の生活で忘れ物が多い、言われたことができない、勉強してもすぐ忘れてしまうといった問題は、ワーキングメモリの弱さが関係していることが少なくありません。

ワーキングメモリとは情報を一時的に記憶しながら処理する能力のことです。単に記憶するだけでなく、その情報を操作したり活用したりする脳の働きを含む重要な認知機能です。日常生活や学習において欠かせない能力であり、子どもの成長過程における適切な理解と支援が求められています。

記憶の仕組みと種類

人間の記憶システムは大きく分けて「短期記憶」「長期記憶」「ワーキングメモリ」の三つに分類できます。ワーキングメモリは短期記憶の一部とされていましたが、現在では別の機能として考えられています。

短期記憶は情報を一時的に保持するだけの単純な記憶システムで、数秒から数分程度の保持が限界です。例えば、電話番号を聞いてすぐにダイヤルする場合などに使われます。

長期記憶は情報を長期間にわたって保存するシステムで、さらに「宣言的記憶(意識的に思い出せる事実や出来事の記憶)」と「非宣言的記憶(自転車の乗り方など無意識的に行える技能の記憶)」に分けられます。

そしてワーキングメモリは、短期記憶に保持された情報を操作・処理する能力です。例えば、暗算で計算する時や複数の指示を理解して実行する際に活用されます。脳科学的には前頭前野と呼ばれる脳の部位が重要な役割を果たしています。

ワーキングメモリのシステムは、主に以下の要素から構成されています。

  1. 音韻ループ:言語情報を一時的に保持するシステム
  2. 視空間スケッチパッド:視覚的・空間的情報を保持するシステム
  3. 中央実行系:情報の処理や操作をコントロールするシステム
  4. エピソードバッファ:異なる種類の情報を統合し、長期記憶とも連携するシステム

これらのシステムが連携して働くことで、私たちは日常生活のさまざまな場面でスムーズに情報処理を行うことができるのです。

子どもに見られる特徴

子どものワーキングメモリは発達段階にあり、年齢とともに容量が増加していきます。一般的に5歳頃のワーキングメモリの容量は2〜3項目と言われており、大人になると5〜7項目程度まで増加します。そのため、発達途上の子どもには大人と同じレベルのワーキングメモリを求めることはできません。

ワーキングメモリが弱い子どもには、以下のような特徴が見られることがあります。

・指示を聞いても途中で忘れてしまう。

・複数のステップがある課題を順序だてて行うことが難しい

・授業中に教師の話を聞きながらノートを取ることが難しい

・読んだ本の内容を理解したり記憶することが難しい

・忘れ物や紛失物が多い

・宿題の提出を忘れる

・持ち物の管理ができない

WISC-IVやKABC-IIなどの認知能力検査では、ワーキングメモリの強さや弱さを測定することができます。しかし、ワーキングメモリの弱さはIQの低さとは直接関連しないことに注意が必要です。情報処理能力が高くても、ワーキングメモリに課題がある子どもは多くいます。

例えば、国語や算数の成績が良くても、提出物を忘れる、教科書を忘れる、持ち物をなくす、という特徴を持つ子どもがいます。また、読解力は高いのに、計算問題で桁を間違えてしまう子どももいます。これらはワーキングメモリのどの部分に強みや弱みがあるかによって現れ方が異なるのです。

また、ワーキングメモリの課題は発達障害(特にADHD)との関連が指摘されています。ADHD(注意欠如・多動症)の子どもは、注意の持続や切り替えの困難さからワーキングメモリの機能にも影響が出やすいとされています。ASD(自閉スペクトラム症)の場合も、情報の取捨選択や処理の特性によってワーキングメモリの使い方に独特の特徴が見られることがあります。

ワーキングメモリの弱さを批判したり、能力不足として捉えたりすることは、子どもの自己肯定感を低下させることにつながる可能性があります。大切なのは、その子の特性を理解し、日常生活の中で適切な支援を行うことです。強みを活かし、弱みをサポートする環境づくりが子どもの可能性を最大限に引き出すことにつながります。

ワーキングメモリは訓練によって向上させることも可能ですが、それには適切な方法と継続的な取り組みが必要です。次章では、ワーキングメモリを効果的に活用するための具体的な支援方法や学習アプローチについて詳しく見ていきます。

ワーキングメモリとエピソード記憶

 

ワーキングメモリは情報を一時的に保持する「短期記憶」の能力ですが、エピソード記憶は個人の体験に基づく「長期記憶」の一種です。ワーキングメモリが弱い子どもの学習や生活をサポートするには、エピソード記憶を上手に活用することが効果的です。ここでは、日常生活や学習場面でのさまざまな支援方法を紹介します。

間違い探しで覚える

ワーキングメモリが弱い子どもに大量の情報を一度に記憶させるのは効果的ではありません。例えば、新しい漢字を10字、各10回ずつ書かせるような学習方法は、子どもにとって大きな負担となり、漢字への苦手意識を強めてしまう可能性があります。

より効果的なのは、漢字の間違い探しをさせたり、間違えやすいポイントについて考えさせたりする方法です。「木」と「本」の違いを探させる、「左」と「右」の違いを見つけさせるなど、比較による学習は記憶に定着しやすくなります。この方法は子どもの情報処理スタイルに合わせた記憶法となり、スムーズに長期記憶に定着させることができます。

また、視覚的に印象づける方法も効果的です。例えば「海」という漢字なら「水の中に母がいる」というストーリーで覚えさせるなど、イメージを使った記憶法も子どもにとって理解しやすい方法です。

段階的に伝えてアプローチする

ワーキングメモリが弱い子どもには、複数の情報を一度に提供するのではなく、1つのタスクを細かく区切って段階的に伝えていくことが重要です。例えば「宿題をして、お風呂に入って、歯を磨いて寝る」という一連の指示ではなく、「まず宿題をしよう」と伝え、完了したら「次はお風呂に入ろう」というように、一つずつ指示を出していきます。

また、指示を伝えた後に子どもに繰り返して言ってもらうことで、どの情報を聞き漏らしているかを確認することができます。これにより、子ども自身が情報を整理する習慣がつき、徐々に自己管理能力も向上していきます。

視覚的サポートも効果的です。例えば、日課表やタイムスケジュールを絵や写真、シンボルを使って作成し、目につきやすい場所に貼っておくことで、子どもが自分で確認できるようにするのがおすすめです。

長期記憶に定着される方法

ワーキングメモリから長期記憶へと情報を移行させるためには、いくつかの効果的な方法があります。最も重要なのは、学んだ内容を実生活と結びつけることです。例えば、算数で学んだ足し算を買い物の場面で使ったり、理科で学んだ知識を自然観察の中で確認したりすることで、知識が体験と結びついて長期記憶として定着します。

また、感情的な要素を加えることも効果的です。「すごいね!」「よく知ってるね!」などの肯定的な声かけをすることで、子どもの脳内でポジティブな感情と学びが結びつき、記憶の定着が促進されます。特に子どもにとって意味のある文脈で知識を使う機会を作ることが、記憶の定着には不可欠です。

さらに、マルチメディア学習も効果的です。同じ内容を視覚、聴覚、触覚など複数の感覚を使って学ぶことで、脳の異なる領域が活性化され、記憶の定着率が高まります。例えば、漢字を書きながら読み上げる、歴史の出来事をイラストで視覚化するなどの方法が挙げられます。

まずは反復学習

効果的な学習には「理解」と「定着」のバランスが重要です。授業で学んだ内容(理解)を、ドリルなどで反復練習(定着)することで、知識が長期記憶として定着します。特にワーキングメモリが弱い子どもには、適切な間隔をあけた反復練習が効果的です。

具体的には、授業を受けた翌日に学習範囲を5分間ドリルで復習し、さらに翌々日にも同じ範囲を5分間復習します。正答率が80%以上になれば、その内容は理解・定着したと判断できます。一日に何度も同じ内容を繰り返すよりも、日をまたいだ反復の方が記憶の定着には効果的です。これは「分散学習効果」と呼ばれる記憶の原理に基づいています。

市販のドリルでも良いですが、最近ではタブレット教材も充実しています。特にAIを活用した学習アプリでは、子どもの理解度に合わせて問題の難易度を調整してくれるため、効率的な学習が可能です。また、デジタル教材は即時フィードバックが得られるため、子どものモチベーション維持にも役立ちます。

ボイスメモの活用

ワーキングメモリが弱く忘れ物が多い子どもには、ICレコーダーやスマートフォンのボイスメモ機能を活用する方法が効果的です。朝の準備や帰宅後のルーティンを子ども自身の声で録音しておき、それを聞きながら行動することで、自己管理能力を育てることができます。

例えば、「教科書を入れる→ノートを入れる→筆箱を入れる→連絡帳を入れる」といった朝の準備手順を録音しておけば、子どもは自分のペースで確認しながら準備できます。これにより、親が何度も声をかける必要がなくなり、親子間の摩擦も減少します。

また、宿題の内容や提出物の確認も録音しておくと効果的です。学校で先生の指示を聞き逃しても、後から確認できるため安心です。この方法は子どもの自立心を育てながら、ワーキングメモリの弱さをサポートする優れた生活支援技術といえるかもしれません。

チェックリストの活用

忘れ物が多い子どもには、視覚的なチェックリストが非常に効果的です。朝の準備や学校から帰宅後の流れ、持ち物などを一覧にしたチェックリストを作成し、一つ一つ確認していくことで、忘れ物を減らし成功体験を積み重ねることができます。

チェックリスト作成のポイントは、子どもが理解しやすい言葉や絵を使うことです。低学年の子どもなら、文字だけでなく絵やイラストを添えると分かりやすくなります。また、チェックリストは子どもと一緒に作ることで、当事者意識が生まれ、より効果的に活用されます。

さらに、チェックリストを完了したらごほうびシールを貼るなど、達成感を感じられる工夫をすると、子どものモチベーション維持に役立ちます。継続することで習慣化し、徐々にチェックリストがなくても自分で確認できるようになっていく可能性があります。

このような視覚的支援ツールは、ワーキングメモリの弱さを補うだけでなく、子どもの自己効力感を高め、「自分でできた」という成功体験を積み重ねることができます。これにより、学習面だけでなく、生活面でも自信を持って行動できるようになるのです。

 

 

まとめ

 

ワーキングメモリは子どもの学習や日常生活において重要な役割を果たしています。

間違い探しのような興味を引く活動や、情報を小分けにして段階的に伝えるアプローチは、子どもの記憶負担を軽減します。また、反復学習によって情報を長期記憶に定着させることも大切です。ぜひ、実践的なツールとしてICレコーダーやスマートフォンのボイスメモ機能、「やることリスト」などのチェックリストを日常生活に取り入れ、忘れ物の減少や学習効率の向上を図りながら、子どものワーキングメモリの機能を最大限に引き出してみてください。そして、これらの活用によりお子さまの学習面だけでなく生活面での自立につながりましたら幸いです。

 



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